前世の記憶「生まれ変わり」は本当にあるのか 最新研究で判明した”転生”の実例3選
前世は同じ国の人間とは限らない。異国の記憶を持って生まれたケースもある。
「3才11か月のときに突然『にんにくをむきたい』と言い、利き手ではない左手で器用にむき始めたトモくんは、イギリスの飲食店に生まれ、ゲイリースと呼ばれていたと両親に語ったそうです」
ほかにも、生まれる前にイギリスで起きた列車事故について言及したり、「前のお金は円でなくポンドだった」と話したりと、前世を裏付けるようなエピソードが次々と出てきた。しかし中学生になると「まったく覚えていない」と答えるようになったという。
「前世の記憶を持つ子供たちの傾向として3~4才くらいで当時の経験や気持ちを話し始めますが、成長とともに徐々に記憶は薄れ、思春期にさしかかると周囲に話して聞かせることはほぼなくなります。成人するまで覚えている人はほとんどいません」
子供たちの記憶が年を重ねるごとに薄れていくのとは対象的に、成人した後にふとしたきっかけで前世の記憶がよみがえる場合もある。
ローマ時代の少年だった前世の記憶が蘇った主婦
アメリカ在住の主婦・佐藤美代さん(43才・仮名)は、20代のときに友達に誘われた催眠療法で記憶が再生された。
「うつらうつらしながら話していると無意識に『フィレンツェ』という言葉が口をついて出てきて、そこから記憶がとめどなくあふれてきました」
催眠から覚めた後、フィレンツェについて聞かれたが、それが何のことかわからず、恐竜の種類かと聞き返してしまったほどだったという。
「その後によみがえってきた記憶をたどると、前世の私は『イサ』という名前の少年で、年齢は17才ほど。おそらくローマ時代の宗教戦争のただ中で、キリスト教に関する大切な文書を遠方まで届ける使命を負っていました。
だけど途中で死期を悟って文書を民家の軒下に隠し、力尽きてしまった。自分の命を狙う刺客が放たれていたことを知っていたので、人と目を合わせられず、うつむいて足元ばかり見て歩いていたことを覚えています」(佐藤さん)
大門さんによればこうした“生まれ変わり”の記憶にはある共通点が存在するという。
「前世の記憶の多くが戦争で非業の死を遂げたり、やり残したことがあったり、肉親と生き別れになったりと、強い後悔や思いがある事例です。
この世に何かしらの未練があるからこそ、それを原動力として記憶を残したまま、次の生を迎えるのだと考えられます」(大門さん・以下同)
→『妻、小学生になる。』のような「転生」は実際にある?研究のきっかけになった江戸時代の少年の実例
教えてくれた人
中部大学教授・米バージニア大学の客員教授/大門正幸さん、日本大学経済学部教授/伊佐敷隆弘さん
※女性セブン2021年12月16日号
https://josei7.com/