50代からの痛くないSEX 8つの秘策を専門家が解説|シニアの性生活【実体験】
コロナ禍のいま、50代以上の夫婦の性生活が復活するという現象が起きているという。もうSEXなんて二度としないと思っていたのに、閉経後から始まる新しい快楽が…。安心・安全に、心から気持ちよく愛し合うために―― 50代からの「痛くないSEX」の心得を専門医に取材した。
50代以降に起こるセックス・リバイバル
なぜいま、50代以上の夫婦に性生活が戻る“セックス・リバイバル”が起きているのか。「3つの要因が考えられる」と言うのは、『不倫女子のリアル』(小学館新書)などの著者・沢木文さんだ。
「1つ目は子供の独立、2つ目は定年退職、そして3つ目はコロナ禍による外出自粛です。
いずれも夫婦の時間ができるから。もちろん、一緒の時間が増えて嫌悪感が増し、離婚するケースもありますが、仲が深まった夫婦の方が多いようです」(沢木さん)
女性セブンのアンケート※でも、「夫婦仲がいい」あるいは「普通」と答えた人は87.7%。夫は定年でストレスがなくなり、男性機能が復活。子供の独立で妻も“母”の役割から解放され、“女”である自分を意識できるようにもなるという。
つまり、再びセックスを楽しめる環境が整うのが50代以降なのだ。しかし、これまでと同じやり方でのセックスには問題があるという。次ページから解説する。
※アンケートはセブンズクラブ会員(全国の20~70代女性)に実施、534人が回答(実施期間:2020年6月30日~7月8日)
シニアの痛くないSEXを医師が解説
50代以降のセックスで、いちばんの問題になるのが“性交痛”。無理をすればけがをしかねないため、無視できません。どう対処すべきか、専門家に聞いた。
シニアのセックスの悩み
「パートナーが誘ってくれたら…したいけれど、濡れないし、痛いから躊躇(ちゅうちょ)する」というのが、50代以降の女性に多い、セックスの悩みだ。
「50代以降、特に閉経後は、女性ホルモンが減少し、腟の萎縮が起こります。つまり、腟内の粘膜が硬くなるのです。また、肌と同様に潤いを保つ力が低下し、乾燥しやすくなるのは腟内も一緒。濡れていないのに、無理に腟内を摩擦しては、粘膜が擦り切れ、痛みが出るのは当然です」(なおえビューティークリニック院長・喜田直江さん)
実際、喜田さんのクリニックには、数十年ぶりに性交渉をし、出血して受診する女性も少なくないという。
「処女膜が再生して破れた」などと考える人もいるが、そうではなく、擦過傷による出血だ。
痛みや出血にはどう対処すれば?
腟内の潤い機能を補うには、市販の潤滑ゼリーを使うなどの対策が必要になる。また、腟内を柔らかくし、濡れやすくする手術もある。
「腟壁に炭酸ガスレーザーを照射し、コラーゲンを増やす方法です。これにより、腟壁が弾力を持つだけでなく、毛細血管が刺激され、潤いやすくなるんです」(喜田さん)