「母の膵炎、ついに原因が判明!天国と地獄の1日」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第13回
「お母さんの膵炎の原因は“石”かもしれません」。漫画家で栄養士の資格をもつうえだのぶさんの母は、大きな病院に転院することに。膵臓を労る脂質制限食を続け、一度は膵臓の数値が回復したものの再び入院、転院と、めまぐるしい展開に、母娘は翻弄されて――。
忘れられない日
突然の再入院からの、6日間も続いた絶食からの、突然の転院。訳が分からないまま電話で色々な手続きをすませ、翌日の朝母を迎えに行くことになりました。
「転院」と聞いた時、私の頭の中に浮かんだのは「ストレッチャーに乗せられた母が、今いる病院の車で転院先の大学病院の病室に運び込まれるの図」でした。私も一緒に乗って。
だって「話はついてる」って先生が言ってたもの。そういうことでしょ?
――全く違いました。
母を迎えに行き「私が」病院に連れて行くのだと言われました。
6日ぶりに会った母は予想通りフラフラのヘロヘロ。でもあれこれ考えている時間はありません。予約していたタクシーに乗って大学病院へ到着。そして受付へ。
それからはまさに「悪夢」でした。
まずPCR検査、診察前の説明、入院手続き、そこから検査のハシゴ(採血・レントゲン・心電図。腹部エコーetc…)車いすに乗せた母を連れて上へ下へ行ったり来たり、PCR検査の結果が出る12:30まで院内で待機してOKだったらやっとそこで先生の診察!
朝8:30に母を迎えに行って、大学病院の先生と話ができたのは13:00くらいだったでしょうか。
車椅子の母はグッタリして口もきけません。何度も書きますがずっと絶食しているんです。今日は栄養点滴もありません。
「このまま死んでしまうのでは」と本気で思いました。
「今から入院していつになったら治療してもらえるのか。いつまでこの状態が続くのか」
疲れはてた頭に聞こえてきたのは、「明日、手術します」という言葉でした。
前の病院の先生が早くから“石”を疑い大学病院の先生と連絡を取って、母が転院したらすぐ手術ができるよう段取りをしてくださっていたのです。
「話はついている」というのはそういう意味だったんです。
地獄からいきなり天国に引き上げられた気持ちでした。
「原因がわかった!治療してもらえる!」
帰宅して父と祖父母の写真が飾ってある仏間に行き、仏壇に手を合わせながらちょっと泣きました。
「ちょっと」しか泣く余裕はありませんでした。
だって明日はもう「手術」なんですから。
NO老いるMEMO「うえだ家の定番NOオイルおせち」
「NOオイル」な食事を意識するようになって、あらためてラインナップを見ると、「ほぼNOオイル」な料理ばかりです。
数の子以外は野菜・芋・豆と食物繊維やビタミン等が摂れて、脂質が低いんですよね。
今年もこのおせちを2人で作って食べることができるのは、幸せなことだなと思います。
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転院、検査とめまぐるしい日を終え、いよいよ手術へ――。のぶさん&母のNO老いるな日々はどうなるのか!? 次回は2024年1月17日公開予定です。
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。57才。山口県で81才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
ホームページ:uenobu.com アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
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