ぐっすり眠れる“枕”選び5つのポイント|シニアにおすすめ快適枕で安眠を!
「最近、年のせいなのか夜ぐっすり眠れない」「朝起きると首や肩が凝っている…」。ぐっすり眠れない、すっきり起きられないのは、もしかして“枕”が合っていないのかも? 長年、理想の”枕”を探し続けている記者が、正しい枕の選び方について専門家に話を聞いた。
眠りと枕の関係を専門家にリサーチ
「よい眠りのためには、個人の体や心理的な状態が大きく作用することはもちろんですが、そのほかにも、枕をはじめとする寝具などの寝室環境を整えることは大事ですね」
こう話すのは、公立大学法人埼玉県立大学 保健医療福祉学部で眠りと健康について研究をしている有竹清夏さんだ。
「寝つきが悪い、熟眠感がない、朝起きたときに首や肩が凝っている場合は、“枕”が原因のこともあると考えられます。
枕は敷布団やベッドマットと後頭部から首にかけてのすき間を埋め、立ち姿勢に近い自然体を保つことを役割としています。
このすき間には個人差があり、人それぞれに適した枕は変わってきます。
自分の体型に合った枕の高さを知り、安定感のあるものを選ぶといいでしょう」(有竹さん、以下同)
快適な枕選び5つのポイント
自分の体に合った枕を選ぶためには、どういう点に気をつけたらよいのだろうか?
「仰向けに寝たとき、敷布団やマットと首の角度が約5度になるのが理想的といわれています。そして、個人差がありますが、頸部と枕のすき間は一般的に1〜6cmとされています。合わない枕だと、呼吸がしにくく、首や肩・胸に負担がかかります。その結果、眠りが浅くなったりすっきり眠れないということも…」
「また、枕には頭部をしっかり支えてくれるある程度の弾性も必要です。
寝返りで横向きになることも考えて、肩先から側頭部全体を支えるだけの奥行きがあるものがよいでしょう」
1.首の角度が約5度になる(仰向け状態)
2.頸部のすき間の深さが合っている
3.呼吸がしやすく、頭をしっかり支える弾性がある
4.発汗に備え、吸水性・放湿性のよい素材
5.肩先から側頭部全体を支えるだけの奥行きがある
寝床内環境を整えることも大切
「快適な眠りのために必要なものは、睡眠をとりまく環境です。枕や布団などの寝床内環境のほか、寝室の温度や湿度・音・光、などの寝室環境も重要になってきます。寝床内の温度が33℃、湿度50%であることが最適な状態とされています。
私たちの体は、眠ると体温が下がります。深い眠りを保つために体内から熱を放出し、発汗します。寝具は、吸湿性や放湿性、保温性などを考慮して選ぶといいでしょう。
枕は、しばらく使用してみないと自分にとって本当に快適かどうか判断しにくく、さらに、マットレスや布団などとの組み合わせによって快適さが変わってくる点に注意が必要です。
ぐっすり眠れない、肩が凝るといった悩みは、枕など寝具を見直すことで改善することもありますが、睡眠時無呼吸症候群などの疾患が原因のことも。睡眠環境を整えても改善しない場合は、専門医に相談をしてください」
編集部セレクトおすすめ枕5選
枕選びの注意ポイントを参考に、シニアにおすすめの枕をピックアップした。
※首・肩などに疾患がある人は、主治医などに相談してから購入の検討をしてください。
1.整形外科医が監修した寝心地よい枕
山田朱織枕研究所 整形外科枕ドクターズピローサイズ:幅50cm、奥行25cm
2.首にしっかりフィットする洗える枕
東京西川 枕 洗える 睡眠博士 首肩フィットサイズ:幅60、奥行40cm
3.高さが変えられる画期的な枕
GOKUMIN takumi グランピロー ボディピローサイズ:幅65×奥行80
4.贈り物にも最適なオーダーメイド枕
LOFTY オーダーメイド枕 肩こり 快眠枕サイズ:幅60×奥行36cm
5.首のすき間を埋める“肩まで枕”
Dore 枕 ピロー 低反発枕 肩まで枕
サイズ:幅72×奥行68cm
教えてくれた人
有竹清夏さん
公立大学法人埼玉県立大学 保健医療福祉学部 健康開発学科准教授。睡眠学・臨床生理学・時間生物学が専門分野。高齢者と睡眠、不眠症に関してなど「人と睡眠」について研究している。
構成・文/介護ポストセブン編集部
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