シニアにおすすめ快眠マットレス5つ・選び方3つのルール【睡眠コンサルタント監修】
シニアにおすすめのぐっすり眠れるマットレスとは? 柔らかいほうが寝心地は良さそうだが腰痛が心配、硬すぎても寝心地が悪そうだし…。高齢者のためのマットレス選びを、睡眠コンサルタントの友野なおさんに教えてもらった。すっきり目覚めるための、おすすめマットレスもピックアップ。
高齢者のマットレス選び3つの条件
高齢者にとってマットレスは睡眠の質を左右する重要なアイテム。マットレスは、寝たときの姿勢がもっとも大事だという。
「柔らかすぎるマットレスでは就寝中ずっと不自然な姿勢になってしまい、足腰に負担がかかることもあります」と、友野さん(以下同)
シニアに適したマットレス選びの3つのポイントを聞いた。
1.”体圧分散”タイプで自然な寝姿勢をキープ
「マットレス選びで一番大切なのが、自然な姿勢で眠れることです。つまり、体のラインをキープしながら支えてくれること。そのためには、体圧分散タイプのマットレスがおすすめです。
通常のマットレスだと、お尻や背中にピンポイントで重みが集中するので腰に負担がかかることも。体圧分散マットレスなら体重が分散されるので腰もしっかりサポートしてくれ、よけいな負担がかかりません」
体圧分散マットレスとは、いわゆる“点で支える”ウレタンフォームなどの素材のものなど、一晩中無理のない体勢で快適に眠れるという。
2.マットレスは”高反発”で寝返りをサポート
マットレスには一般的に、「低反発」と「高反発」がある。
柔らかい「低反発」は体を包み込んで体圧を分散する一方、体が沈み込むので寝返りがしづらいことも。
「寝返りは、快適な睡眠をとるうえでとても大切な動きです。同じ姿勢だと同じ場所に圧力がかかりますが、寝返りをすることで解消されます。
動くことで血流も促され、腰痛の緩和にも。また、布団など寝具にこもった空気を入れ替えることで、通気性もよくなって気持ちよい眠りにつながるんですよ」
つまり、寝返りを妨げないためには、高反発のマットレスがおすすめ。高反発タイプは、適度な硬さで寝返りをサポートしてくれる。
3.表面が柔らかい”多層構造”で心地よい眠りを
適度に硬いほうがいいとはいえ、肌に触れる表面は柔らかいものがおすすめだ。
「加齢で脂肪や筋肉が落ちてくると、硬すぎるマットレスだと体に痛みを感じることも。
そのため、高齢者に適したマットレスは、表面はウレタンなど柔らかい素材、芯は体をしっかり支える高反発という多層構造が理想的です」
高齢者向けマットレス5選
前述の通り、シニアにとって寝心地のいいマットレスの条件は、以下の3つ。
1.体圧分散
2.適度な高反発
3.表面は柔らかい
「シニアに限らず、朝起きたときに首や肩、腰に違和感がある、すっきり起きられないという人はマットレスを見直してみましょう」と友野さん。上記3つの条件を備える、おすすめのマットレスとは…。
1. パラマウントベッド「カルムアドバンス」
インタイム1000シリーズ専用マットレス。「パラマウンベッドの電動ベッド用インタイム専用のマットレス。体圧分散と、寝返りしやすい硬さを実現、さらに表面は弾力性のあるウレタン素材で寝心地も抜群という優れものです。しかも片面はウレタン一層、もう片面はウレタン二層でさらにソフトな質感に。お好みで選べます」
なお、サイズが合えばインタイム以外でも使用可能。通気性がよく、お手入れもしやすい。
【データ】
商品名:パラマウントベッド 「カルムアドバンス」
サイズ:全長191㎝×全幅91㎝×厚さ12cm
価格:5万7000円
https://www.paramount.shop/fs/paramount/rm-e581a
2. エアウィーヴ ウェルネスモデル マットレス M80-83RP
「独自のエアファイバーで体への負担がとことん軽減される『エアウィーヴ』シリーズですが、なかでもシニアにはこちらのモデルがおすすめ。
反発力・復元力が高く体が沈みすぎないので寝姿勢がラクだし、アウターカバーは完全防水で、アルコール消毒も可能、中材は丸ごと水洗いできて清潔面も完璧です」
電動ベッド対応。介助もラクに行えるというメリットも。
【データ】
商品名:エアウィーヴ ウェルネスモデル マットレス M80-83RP
サイズ:全長191×全幅83×厚さ8cm
価格:12万1000円
https://sleep.airweave.jp/item/1_218011_1.html
3. 西川 ナーシングキューブ プレミアムマットレス
「大小のキューブが組み合わさって設計された独特のマットレスです。体圧分散と寝返りがうちやすい弾力性をもちながら、表面は柔らかな5層構造。しかもキューブどうしわずかな隙間があるので通気性抜群。敷いたままでも湿気がこもらないしくみです」
両サイドはさらに硬めなので、ベッドから起きやすいのも特徴。表面にスリットが入っているので、電動ベッドの動きにフィット、傾斜してもシワが寄らないよう工夫されている。
【データ】
商品名:西川 ナーシングキューブ プレミアムマットレス
サイズ:全長191×全幅91××厚さ12cm
価格:16万5000円
https://www.nishikawa1566.com/contents/goodnightplus/02.html
4. フランスベッド 腹部圧迫を軽減するマットレス SLD-18R 85
電動ベッドでリクライニングしたとき、マットがずり落ちる不快感を軽減するマットレス。高反発マットレスの背の部分が2枚構造になっていて、リクライニングすると上の層だけが伸びてずり落ちるのを防ぎ、お腹の圧迫感を軽減。さらにマットレスの両サイドが硬めなので、起き上がるのがラクな設計。
【データ】
商品名:フランスベッド 腹部圧迫を軽減するマットレス SLD-18R 85
サイズ:全長195×全幅85×厚さ9.5cm
価格:9万3500円
https://medical.francebed.co.jp/kaigoyouhinonline/item/056353000.html
5. アイリスオーヤマ エアリーマットレス MAR-S シングル
95%が空気という独自の新素材で作られた三次元スプリング構造のマットレス。分散性+高反発力で理想の寝姿勢を保つ。通気性が高いうえに、汚れたら水洗いもできていつでも清潔。品質が良くリーズナブルなので「最初は母に買ったが、家族全員分買い揃えた」という声も。
【データ】
商品名:アイリスオーヤマ エアリーマットレス MAR-S シングル
サイズ:全長198×全幅95×厚さ5cm
価格:1万7028円(12月10日編集部調べ)
https://www.irisplaza.co.jp/index.php?KB=SHOSAI&SID=K536256F
質の良い睡眠にはマットレスのお手入れを
「高齢になってベッドにいる時間が長くなると、ますますベッド回りの環境には気を配ることが大切です。マットレスなど寝具はお手入れをこまめにして気を配りたいですね」
マットレスは風を当てて湿気を逃す
汗で湿気がこもりがちなマットレスは、そのままにしておくとカビの原因になることも。使わないときはベッドに立てて、底面を空気に触れさせて湿気を逃す習慣を。寝たきりなら、デイサービスの間などを利用して短時間でも空気を通す。扇風機を使って風を送れば、さらに効果的。必要なら防水シートを敷いておくと、お手入れしやすい。
布団クリーナーでホコリやダニの掃除を
布団と同様、マットレスのホコリや花粉を取り除くなら布団クリーナーが便利。高速でマットレスをたたいてハウスダストを浮かせて吸い込んでくれる。軽くて扱いやすいものが多く、いつでも清潔な睡眠環境をキープできる。
ボックスシーツでこまめに洗濯を
シーツは肌に直接当たるものなので、こまめに取りかえたい。ゴムを利用したボックスタイプは、着脱も簡単。マットレスをすっぽり覆うのでズレにくいのもメリット。
シニアのためのマットレスとは【まとめ】
起きたときに腰や首など体が痛いし、ぐっすり眠れない…。そんな人は、ぜひマットレスを見直してみて。
シニアのためのマットレスは、「体圧分散+高反発」がポイント。記者は、「痛みで目が覚める」ほど腰痛持ちだったが、エアスプリング素材の高反発マットレスに変えたら驚くほど改善した。
良い眠りにはマットレスが左右する――。実際に店頭で横になって体の沈み具合などのチェックを。また、最近は、通販でもお試し期間付きというものもある。体に合ったマットレスで良い睡眠を!
教えてくれた人
睡眠コンサルタント 友野なおさん
睡眠コンサルタント。睡眠の改善より、15㎏のダイエットと重度のパニック障害を克服した経験から、睡眠を専門的に研究するように。企業のコンサルのほか執筆やメディア出演も多数。ブログでは、質の良い睡眠や気持ちのいい目覚めについてのヒントを数多く掲載。公式サイト http://tomononao.com/
取材・文/中条礼子
●高齢者におすすめのベッドとは?選び方や気になる電動ベッドなど睡眠コンサルタントが解説