猫が母になつきません 第243話「でてくる」
9ヶ月ぶりに姿を現して以来、シロは毎日餌を食べに来ています。来る時間がまちまちなので、もしかして来てるんじゃないかと気になって一日に何度も窓の外を確認する私。鳴き声で「来たよー」と知らせてくれるときはいいのですが、窓のすぐ外に静かに正座で待っていることもあるのです。私が気づかないでいると、気配を察したうちの猫が窓外に向かって鳴いて教えてくれたり。そんなこともあってか、戻ってこないさびを私が呼んでいると、シロが現れてきょろきょろしながら「にゃーお、にゃーお」と遠くに向かって鳴き声をあげたのです。一緒にさびを呼んでくれてる…とは思いましたが、まさかそれで出てくるとか…ん?シロが鳴くのをやめてある方向をじっと見たのでそちらに目をこらすと、茂みの中からさびが姿を見せました。おお!すごいシロ!ありがとう!猫ではありますが、誰かが助けてくれるというのはうれしいものです。でもこちらから誰かに助けを求めるというのは最終手段みたいに思っていて意外とできない。助けたり、助けられたり、普通のことにゃ(byシロ)
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作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。