猫が母になつきません 第240話「かわく」
すごく喉が渇いて目が覚める→お茶が古いから。よくそんな結論にたどりつくなと思いますが、母はいたって真剣。結局コーヒー豆のせいだということになって、それならインスタントコーヒーにすれば大丈夫と思ったらしい。悪いことはとりあえず自分以外の何かのせいにする母。ある意味うらやましい。ともあれ、なぜ最近そこまで喉が渇くようになったのか、原因をネットで調べていて思い当たることがありました。口の周りや舌、喉の奥の筋肉が弱ってくると睡眠中に口が開いてしまい、口呼吸になり、気道が狭くなり、いびきをかくようになるそうです。母はコロナ禍で外出が減り、人とおしゃべりする機会も減り、マスクをしていることも多少影響して口の周りの筋肉が急激に弱ったのだと思います。そういえば、母の口の横のシワが深くなったなと思っていたのですが、それも単に年齢のせいだけではなく筋肉の衰えの表れかもしれません。コロナ禍→人に会えない→会話が減る→口の周り筋肉が衰える→睡眠中に口が開く→喉が渇いて目が覚める。風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話ですが、たぶんこれが真実です。これは母だけの問題ではなく、母以上に人との会話が少ない私にもあてはまる。最近、顔のマーク😊を描いたテープをよく使うものなどに貼って、それが目につくたびに思いっきり顔の筋肉を動かすようにしています。絵面的にはちょっと不気味ですが、簡単なので続けられています。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。