認知症の予防になる4つの栄養成分が摂れる身近な食材って?
葉酸&ビタミン
認知症の原因物質を抑制するのは、葉酸。また、動脈硬化を促進したり、アルツハイマー病のリスクを高める悪玉アミノ酸、ホモシステインを無害化してくれるのがビタミン。ホモシステインは加齢とともに増えるため、葉酸は認知症予防に欠かせない成分。また重要な神経伝達物質の素であるトリプトファンを分解する過程でも大切な働きをします。
■枝豆
葉酸のほか、良質のたんぱく質、ビタミン、カルシウム、食物繊維、鉄分など、野菜と豆の栄養を併せ持ち、トリプトファンも多い。
■モロヘイヤ
強力な抗酸化成分、βカロテンやビタミンEも野菜の中でトップクラス。粘膜を保護するネバネバ成分、ムチンも特徴で、夏が旬。
■緑茶
脂肪吸収を抑えるカテキン、集中力を高めるテアニンなどの抗酸化成分も豊富。抽出したお茶より抹茶のほうが成分を摂り入れやすい。
■ブロッコリー
葉酸の吸収を高めるビタミンCやβカロテンも豊富。免疫力アップや動脈硬化の予防効果も。
トリプトファン
脳の神経細胞を作る必須アミノ酸が、トリプトファン。脳の神経伝達物質の中で、特に重要な役割を持つアセチルコリンや、睡眠の質を高めて精神を安定させるセロトニンの原料になるのがトリプトファン。肉や卵、ナッツ、豆腐、納豆、豆乳などの大豆製品に豊富。食品によっては摂りすぎると脂質やコレステロール過多になるのでバランスよく摂り入れることが大切です。
■卵
食事から摂る必要のある8種類の必須アミノ酸をすべてバランスよく含む。トリプトファンのほか、アセチルコリンの素になるレシチンも豊富。
■豚肉
糖質代謝を促進するビタミンB1の宝庫。また野菜などからは摂れない脳を活性化するアラキドン酸も含まれる。
■ヨーグルト
乳酸菌の作用で消化しやすいタンパク質、脳の神経伝達物質の働きがスムーズになるカルシウムなどのミネラル分がたっぷり。
■ナッツ
ビタミンEやミネラル分も豊富。くるみやアーモンドには蓄積したアミロイドβを減らす効果が期待できるという研究結果も。ピスタチオもおすすめ。
認知症には、食生活が大いに関係している
前出・須貝さんによると、認知症には、脳の老廃物であるアミロイドβの蓄積などが原因の“アルツハイマー型”、脳梗塞・脳出血が引き金になる“脳血管性”などがあり、いずれも食生活が大いに関係しているといいます。
「カロリー過多は活性酸素を増やし、脳の老廃物蓄積を促進すると考えられ、多くの調査でも認知症発症リスクを上げるという結果が出ています。また塩分過多の食生活は血管をもろくして、脳血管障害を引き起こしやすくします。
逆に圧倒的に不足しているのは魚と野菜。魚の脂には、脳の機能を正常に維持するのに必須の栄養素、オメガ3が豊富。また野菜には、脳や体を酸化から守る抗酸化成分、認知症原因物質を抑制すると言われる葉酸などが多く含まれます」
認知症予防にもうひとつ重要なのは、“偏らない”こと。
「たとえばカロリーを気にして敬遠しがちな肉には、脳の神経細胞の素になるトリプトファンや、記憶・集中力をアップするアラキドン酸も多く含まれています。カロリー過多に注意しながら、バランスよく摂ることが大切です。
認知症予防の研究により、様々な食材の効能が話題になりますが、一つの食材だけで改善するものではありません。脳によい栄養素、食生活を理解し、“摂取する”“控える”ことを意識した日々の積み重ねが予防につながるのです。
認知症のリスクを高める糖尿病、高血糖を防ぐためにも、野菜から食べ始めるといった食べ方の工夫も大切です」
初出:女性セブン
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