ストレス解消&アンチエイジングに効果抜群!元アナウンサーが教える「心と体を元気にする音読の習慣」
音読は、記憶や思考を司る前頭前野を活性化させるため、認知症の予防だけでなく、脳機能の維持・向上や精神の安定にも絶大な効果がある。人生の逆境を音読で乗り越えた元アナウンサー・寺田理恵子さんにストレス発散からアンチエイジングまで叶う、楽しく続けられる音読の秘訣を聞いた。
教えてくれた人
寺田理恵子さん/アナウンサー、認定心理士、「心とからだ磨きの朗読教室」主宰。朗読教室、アナウンススクールの講師を務める傍ら朗読ボランティアや講演も行う。『3分間の音読セラピー 日々気持ちが生まれ変わる!』(さくら舎)ほか、音読に関する著書多数。
音読なら声も心も見た目も若返る
「体と頭をぞんぶんに使う音読には、ストレスを軽減し、気分をスッキリさせるセラピー効果があります」と語るのは、アナウンサーの寺田理恵子だ。
「音読の効果は私自身が実感しています。50代の初めに夫が急逝し、そのショックで眠れない、食べられない、人に会えない日々が1年ほど続き、気力や体力、認知機能まで低下してしまいました。しかし、生活のため、社会に出なければと再開したのが、新聞の音読でした。
初めは息も続かない状態でしたが、声がしっかり出せるようになるとみるみる元気になり、心身の活力を取り戻すことができたのです」(寺田・以下同)
音読の身体的な効果について続ける。
「呼吸筋が鍛えられ、呼吸の質が上がり、飲み込む力も高まります。また、声帯も鍛えられて声の通りがよくなるほか、頰や口まわりの筋肉が動き、表情が豊かになります。声も見た目も若々しくなるんです」
声を出すことは不安な心を落ち着かせ、気分を上げる効果もあるという。
「私が主宰する朗読教室には、50代から90代までさまざまなかたが通われています。最初はうつうつとしていたかたが、声を出すことでやる気がみなぎり、表情が変わってくる例をたくさん見てきました」
体が固まっていると声が出しにくいので、音読の前に、軽く体をほぐしておくのがいいとも。
「上手に読もうとせず、3m先まで声が届くイメージで、のびのびと気持ちよく発声しましょう」
まずは3分、はきはきと読む
音読する文章の内容は、「その日の気分」でOK。いいと思う一節を、まず3分読んでみることだ。
「穏やかな気分でいたいときは子供向けの童話や、詩でもいい。自分が楽しければ何でもいいと思います。長い読み物より、エッセイや短編が音読にはおすすめ。たとえば向田邦子さんの文章はテレビドラマの脚本家だけあって、リズムがあって読みやすいし、情景も浮かびます。角田光代さん、阿川佐和子さんのエッセイも『わかる〜』と共感できる文章が多いので、音読が楽しくなると思います。
ストレスを発散させたいときは『バカヤロー!』など、ふだん言わない荒っぽい言葉の一節を大きな声で読むと、これがスカッとする(笑い)。私の教室ではバナナのたたき売りの口上をやることも。皆さん、とても気持ちよさそうです(笑い)」
本が面倒なときは、広告の見出しでもいい。
「私も時々家で読んでいます。広告って字も大きいので、老眼でも読みやすいでしょう?(笑い)」
流ちょうに読むより、はっきり発音する方が重要だ。
「相手に聞き返されるような、もごもごと話すかたは声も小さく、呼吸も浅いはず。アンチエイジングのためにも、自分の声をしっかり聞きながら、大きく口を開けてはっきりと発音してください。自分の声が嫌いという人は多いですが、『おっ、今日はいい声が出た!』と自分で感じられると達成感が得られ、幸せホルモンが分泌されます」
滑舌が悪い人は「お行(お・こ・そ・と・の〜)」の言葉が不明瞭だとか。お行の発音に意識しながら明瞭に読む練習を積むと、会話の言葉も明るくなり、見た目の印象もいい方に変わるという。
「音読が楽しくなってきたら、描写やせりふに表情をつける朗読にトライしてください。文章の読解力も深まり、読む楽しみが一歩広がります」
寺田さん直伝!「心と体に効く音読の極意」
【1】読む前に軽くストレッチをする。
【2】3m先に聞こえるくらいの声の大きさで読む。
【3】一語ずつはっきり発音する。
【4】流ちょうに読もうとしない。
取材・文/佐藤有栄 イラスト/かたおか朋子
※女性セブン2026年8月13日号
●寺田理恵子さん(61才)夫の急死、悲劇を乗り越えた「音読」実践法とおすすめの本
