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健康

更年期女性の声のかすれ・高音の出にくさは「お口まわりの老化」が原因!ボイストレーナー直伝活舌トレーニング

 更年期を迎えると「以前より声が低くなった気がする」「声がかすれるようになった」など、自分の声に違和感を覚える女性は少なくない。女性の声の変化は単なる加齢ではなく、実はお口周りの老化を見定めるバロメーターになるという。声の老化をチェックする方法と老化を防ぐトレーニングを専門家に聞いた。

教えてくれた人

藤谷順子さん/医学博士、国立国際医療センター リハビリテーション科医長。『ムセはじめたら、「1分のどトレ」』(世界文化社)、『「嚥下調整食学会分類2013」の新コード分類に対応 決定版 かむ・飲み込むが難しい人のごはん』(講談社)など、著書や監修本多数。

楠山敏行さん/医学博士、東京ボイスクリニック品川耳鼻いんこう科院長。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。声に関する病気治療に定評あり。

赤間裕子さん/健康ボイストレーナー・フリーアナウンサー・キャスター・講師。主な著書に『1日3分でむせ予防!60歳からの滑舌レッスン』(世界文化社)など。

食べ物を飲み込む力は衰えていくもの

「普段何気なくやっている『飲み込み』は、のどをはじめ、たくさんの口まわりの筋肉が連動するとても高度な能力で、加齢とともに確実に機能が衰えていきます」

 とは、国立国際医療センターの医師、藤谷順子さん(「」内以下同)だ。

 食べ物を口の中に入れてかみ、飲み込む準備をすることを「咀嚼(そしゃく)」、食べ物や唾液を気管に入らないように食道に入れ、飲み込む一連の動作を「嚥下(えんげ)」という。加齢で、のどやその周辺の筋力が落ちるなどして、咀嚼と嚥下の機能が低下すると、全身へ悪影響が出るという。

「たとえば、食べるのに時間がかかり、食べる量が減ります。それを防ぐために食べやすく、やわらかく調理しようとすると水分が多めになり、同量を摂取してもカロリーが少なくなります。その結果、活動に必要なエネルギーが摂取できなくなって低栄養状態に陥りやすくなります。

 ほかにも、飲み込みにくくなると、水分をあまり摂らなくなり、脱水状態を起こしやすくなったり、食べ物が食道にうまく入らず、気道(空気の通り道)をふさいで窒息したりすることもあります」

声の老化は更年期に急激に進行する

「お口」まわりが老化しているかどうか、わかりやすく気づけるのが「声の変化」だ。女性の場合、更年期以降、低くなる傾向にある。

「声が変化すると、声帯が老化したと思うかたが多いのですが、それだけが原因ではありません」

 とは、東京ボイスクリニック品川耳鼻いんこう科院長の楠山敏行さん(「」内以下同)だ。

 声の動力源は肺、原音を作っているのが声帯、それを声にするのが口腔や鼻腔。これらはいずれも加齢によって変化する。

「肺は年齢とともに弾性収縮力が落ちて、息を吐く力が弱まります。肺活量は20才をピークに、80才では半分にまで減少。横隔膜や肋間筋など、いわゆる呼吸筋が衰えることで声を出す動力源が小さくなる。つまり、声が小さくなります。

 声帯では、声帯筋が衰えるなどの変化が起きるのに加え、閉経により女性ホルモンが急激に減ると、声帯の血流が悪くなって、声帯粘膜のうるおい不足とむくみが起こり、声が低くなります。声の個性をつくる口腔や鼻腔も加齢に伴って動きが鈍くなります。すると母音が不明瞭になり、子音の歯切れが悪くなります」

音読や水を飲む習慣で声帯の老化をストップ!

 では、どうすれば若々しい声を保てるのか。

「声帯は筋肉なので、衰えないように使い続けることが大事です。意識して発声しないと、声帯、口元の筋肉、肺活量は低下します。

 おすすめは毎日10分間の朗読。好きな小説、新聞記事など何でもいいので、声に出して読んでみましょう。声を意図的に発することで脳トレにもつながります。1日1.5Lほどの水やお茶を飲む習慣をつけ、のどをうるおすことも大切です」

1つでも当てはまる場合は老化が進行中!<声の老化度チェックリスト>

 1つでも当てはまる人は声の老化が始まっている可能性大。当てはまる数が多くなるほど、あなたの声の老化は進んでいる。

□ おしゃべりをした後、疲れるようになった。

□ 声が小さくなった、大きな声を出しづらくなった。

□ 「あー」と声を出して、ひと息で10秒以上続けられない。

□ 声がかすれるようになった。

□ 滑舌が悪く、聞き返されることが多くなった。

□ カラオケのキーを下げた方が歌いやすくなった。

□ 人と話す機会が減った。

□ 閉経した。

ボイストレーナー直伝!声帯筋&肺機能を鍛える滑舌トレーニング

 声の老化に有効なのが4つのエクササイズだ。声帯の筋力や肺機能を鍛えられる。

 健康ボイストレーナーの赤間裕子さんは、発声練習と早口言葉の滑舌トレーニングもすすめる。

「発声練習とは、母音のあ段の音を伸ばして読むレッスンです。最初の音を伸ばすと、口をなめらかに動かしづらくなるのですが、それでも1音1音を丁寧に発音し、口を大きく動かしましょう。早口言葉は、早く言うことより、丁寧に発音するように心がけてください」(赤間さん)

 加齢による声の変化自体は、命にかかわることはない。ただ、声のかすれ、声が出しにくいなどの症状の裏に、喉頭がんや食道がん、大動脈瘤など深刻な病気が隠れていることもまれにある。気になる症状が2週間以上続く場合は、耳鼻咽喉科を受診しよう。

【4つのエクササイズ】約2か月で効果が出る

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