「60代の生活習慣が老後の健康を左右する」医学的根拠に基づく最新の<健康常識8選>を医師が解説
【1】内臓脂肪検査
【2】骨密度検査
【3】脂肪肝検査
【4】頸動脈エコー検査
内臓脂肪検査は、CTを使って内臓脂肪や皮下脂肪の面積を測定。「隠れ肥満」もわかる。脂肪肝は、採血だけでは判定しづらいため、エコー検査を併用するといいそうだ。そして、骨粗しょう症リスクに備え、骨密度検査は必須。放射線を用いたDXA検査がおすすめ。動脈硬化の状態を知りたければ、頸動脈に超音波を当てて血管壁の厚さや血管の状態を確認するエコー検査を。
<情報の自分化>のための体調セルフチェック
【1】年2回以上風邪をひく
【2】便秘・下痢で悩むことが多い
【3】手足が冷える、または汗がひどい
【4】充分眠った気がしない
【5】食後に眠くなる
【6】最近3年間で3kg以上太った、またはやせた
【7】息切れをする、または動悸がする
【8】小学校の頃の同級生は覚えていても、町内会の人の名前は思い出せない
【9】関節・筋肉痛(つることを含め)がある
【10】やる気がない
※上記リストは久保さん改変
セルフチェックで当てはまった数からいまの体調を知ろう!
<当てはまる個数/0〜3個>年齢よりも元気。若い人にも負けません
<当てはまる個数/4〜7個>年齢相応。でも、改善の余地あり
<当てはまる個数/8〜10個>健康に注意!何か1つでも改善を心がけましょう
そのサプリは本当に必要?情報やトレンドに流されないように要注意
栄養補給や体力の低下を補うサプリメントもまた、情報やトレンドに流されて選びがちだ。
「中高年に人気のサプリメントは『ビタミンとカルシウム』でしょう。日本人の多くが不足しているビタミンDについて、いまのところネガティブなデータは少ないのですが、カルシウムについては、気になる調査結果が出ています。カルシウムのサプリメントを摂取する38万人超の男性を12年間追跡調査したところ、心血管死亡のリスクが上昇したというのです。(※3)『この年だもの、きっとカルシウムが足りないはずだ』と決めつける前に、骨密度を調べてほしいですね」
サプリメントの中には医学的根拠がないものや、知識のアップデートがなされないまま「こののみ合わせは危険だ」などとあおるような情報もある。簡単にうのみにせず、自分がのんでいるもので気になる点があればかかりつけ医に相談しよう。
運動に関しても、データに基づいたアドバイスが。
「大腰筋(大腿骨と背骨をつなぐインナーマッスル)、大腿二頭筋(太ももの後ろ)、大殿筋(お尻)が衰えやすい(※4)ので、そこに重点を置いて筋トレをするといいでしょう。毎日ストイックにやる必要はありません。週1回の運動でも、疾患による死亡率が減るという結果(※5)が出ています」
体の状態を知ったら、まずは1つでも、三日坊主でもいいから、気になる健康習慣を試してみることだ。
(※3)出典:「老化因子の早期発見・対策を目的とした検査」
(※4)出典:「PTジャーナル・第50巻第2号・2016年2月」
(※5)出典:「JAMA Intern Med. 2013 Apr 22;173(8):639-46」