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シニア世代は要注意!<災害時の行動と対策>やってはいけない6つのこと【防災士&家事アドバイザーが指南】

 地震などの災害が起きたとき、命を守るにはどんな行動が大切で、どのような備えが必要なのか――。家の中で過ごすことが多い高齢者はとくに、とっさの行動や家具の配置、用意すべきものに注意が必要だ。家事アドバイザーで防災士の資格ももつ矢野きくのさんに、もしもの時に注意すべきポイント、やってはいけない行動について教えてもらった。

この記事を執筆した専門家

家事・節約アドバイザー・矢野きくのさん

節約・家事アドバイザー。防災士の資格を持つ。家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ・講演・連載などで活動。NHK『ごごナマ』準レギュラー他テレビ出演多数。新聞での連載のほか自動車メーカー、家電メーカーなどの企業サイトでコラムの執筆経験も。近年は中高年層の家事アドバイスや家庭でできるSDGsについての講演、SNSでの情報発信でも活動している。著書『シンプルライフの節約リスト』(講談社)、『「節電女子」の野菜レシピ!』(アスコム)、『50代からの自宅の片づけ 実家の片づけ』(扶桑社ムック) など。https://yanokikuno.jp/

もしものときに「やってはいけない」行動もある

 もしも今、自分が住んでいる地域で震度7の地震が発生したら、「あれをやっておけばよかった」と、後悔することはないでしょうか。今年は元旦に「令和6年 能登半島地震」が発生しました。遡ると震度7以上の地震は、以下の通りです。

2011年「平成23年 東北地方太平洋沖地震」

2016年「平成28年 熊本地震」

2018年「平成30年 北海道胆振東部地震」

 つまり、震度6以上で考えると、さらに多くの地震が発生しています。入り組んだ断層の上にある日本はいつどこで地震が発生してもおかしくない国なのです。

 今回は今からでもできる地震対策についてご紹介します。

→シニア世代におすすめ<災害時の備え>「毎年同じ月に備蓄を見直す1年ストック法」家事アドイザーが解説

倒れそうな家電や家具を押さえに行ってはいけない

【対策】家具やテレビなどはあらかじめ固定しておこう

 地震が発生すると、家具やテレビが倒れ、物が破損するだけでなく命に関わる怪我をする可能性もあります。本棚やタンスなどはL字型の金具で壁に固定したり、最近では、震度7程度に対応できるという耐震マットを家具の下に入れるという方法もあります。

 薄型テレビであれば、背面をワイヤーで固定するアイテムも市販されているので、それらを利用し倒れてくるものがないようにしておくようにしましょう。

 実際に地震が発生して眼の前で揺れているものがあると、人は「押さえる」という行動に出たくなります。しかし、自分の押さえる力以上に揺れている大型の家具や家電の力は大きく、倒れてきたら怪我をしてしまいます。先に倒れない対策をしておき、押さえる行動に出ないようにすることが大切です。

 炊飯器や電気ポット、電子レンジなどの家電も、ジェルシートタイプの耐震マットを底に敷いておくと地震があったときに動きづらくすることができます。

 また、大きな揺れがあると食器棚から食器が飛び出して割れ、怪我の元となります。食器棚の扉を固定するアイテムは100円ショップでも買うことができるので、是非取り付けておきましょう。日頃使うときに、留め具を開くというアクションが増えますが、いざというときには効力を発揮してくれます。

家具が倒れてきそうな場所で寝てはいけない

【対策】就寝は安全な場所で、靴を備えておく

 平均的に1日の3分の1は寝ているので、安全な場所で寝るようにすることも重要です。家具の固定は必須ですが、さらに家具が倒れてくる可能性がある場所で寝ないようにしましょう。タンスの前よりはタンスの横など自分の部屋の中での工夫が必要です。

 また、寝ている場所に、靴を1足置いておくこともおすすめします。地震が発生し割れたり倒れたりしてきたものの中を歩いて外に出なくてはならないとき、裸足よりも靴があることで怪我を避けることができます。

お風呂の残り湯を捨ててはいけない

【対策】お風呂の残り湯は次を入れるときまでとっておく

 断水時にお風呂の残り湯はさまざまな使いみちがあります。お風呂が終わったらすぐに捨ててしまうのではなく、次の日に新しいお湯を入れるときまで前日の残り湯をとっておき、浴槽には常に水が入っている状態にしておくことが理想的です。

寒さ対策をおろそかにしてはいけない

【対策】防寒具を食料とともに用意しておこう

 災害への備えや防災グッズなど、いろいろと用意するものはありますが、極論を言えば、命に関わってくるのは食料、飲料、そして寒さ対策です。

 食料や水の備蓄とともに、寒さ対策となる厚手の衣類やカイロ、100円ショップでも売っているアルミの保温シートなども用意しておくといいでしょう。

非常用のお金は小銭を忘れてはいけない

【対策】非常用持ち出し袋にお金(小銭も)と口座情報のメモを

 大きな災害ではどのような状況になるか分からないので、現金も非常用持ち出し袋に入れておくと安心です。その際は紙幣だけでなく小銭も用意しておくと安心です。

 また、災害の大きさによっては手元に通帳や印鑑がなくても、お金をおろせる場合があります。そのときのために、身分を証明できるもののコピーや、口座番号などを控えたものを持っておくことも重要です。非常用持ち出し袋に入れておくと良いでしょう。

地震の停電時、灯りには注意して

【対策】ろうそくより、ランタンがおすすめ

 地震での停電のときはとくに、ろうそくは危険が伴うことも。余震でろうそくが倒れると火事が発生するおそれもあります。

 懐中電灯だと正面しか照らせないので、ランタンタイプのものがおすすめです。

ランタン

 長く停電が続くことも考えて乾電池タイプであれば乾電池の予備も準備しておく必要があります。また、太陽光で充電できるタイプのランタンもあると良いでしょう。

 災害に備えることはまだまだ他にもありますが、今すぐできることはたくさんあります。災害はいつやってくるか誰にも分からないものです。ぜひ今日から対策をはじめてください。

●防災の専門家が勧める備蓄品の準備「食品は食べ慣れているもの」「薬は体質にあったものを」

●映画館でグラッ!地震が発生したとき、身を守るための行動を専門家が伝授!

●帰省したら親と話したい防災対策|地震の際、火の始末は揺れがおさまってからが新常識

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この記事へのみんなのコメント

  • のもとおでん

    昔ながらのランタンスタイルの照明というのは、下を照らすことができないのでオススメできない。どこかにぶら下げたとしても、横方向を照らすばかりで、下が暗くなる。ただ、テーブルなどに置いて使うなら、たしかに火を使うろうそくよりはましだ。どこに設置してどう照らすのかというのを考えて器具を選ぶといいだろう。いまは百均にもいろいろユニークなLED照明が売ってるし。個人的にはホムセンなどにある、大きなクリップで挟んで取り付ける電池式の防犯灯みたいのがオススメ。ふだんは人感センサーとかで必要時だけ点灯するが、スイッチ操作で常時ONにできるものがいい(しかし、大きいので非常持ち出し用としてはどうかと思う)。

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