R60の片思いエピソード「23才年下の男性マッサージ師に体も心も癒されて」大人の恋の効能を精神科医が分析
「親子ほど年齢が違う人なのに、呆れちゃいますよね」
少しはにかみながらこう話すのは、愛知県に住む専業主婦の相田浩美さん(仮名・66才)。夢中になっているのは、23才年下のマッサージ師の男性(バツイチ独身)だという。
「腕はごつごつして骨ばっているのに、手のひらは温かくて、優しい手つきで、かゆいところに手が届く。触れられたところがじんわりほぐれてくるんです。彼に丁寧にマッサージされているうちに、好きになっちゃいました」(相田さん・以下同)
施術を受けながらの何気ない言葉のやりとりにも、トキメキを感じているという。
「『肩が凝ってますね。何かストレスがありましたか?』とか『最近、運動不足じゃありませんか?』と気遣ってくれたり、私が世間話みたいに何気なく話していたことについて『この前の話、どうなりました?』と続きを聞いてくれたり。私のことを覚えてくれている、気にしてくれているというのが、何よりうれしいんです。
家では私がどんなに家族に尽くしても、誰からも気にかけてもらえない存在だから…。彼に会ってマッサージされると、体だけでなく心もほぐれて癒されるし、優しい気持ちになれる。彼は私にとって、心と体を元気に保つために必要な人なんです」
犬の散歩コースで出会ったバツイチ男性に片思い
夫には内緒の“小さな秘密”を明かす彼女の表情は、とても幸せそうだ。片思いを続けるためには、周囲にも相手にも恋心を悟られないようにふるまう必要が生じる。
そうした“駆け引き”にこそ頭をフル回転させる楽しさがあるというのは、埼玉県在住でバツイチの三上百合子さん(仮名・60才)。
「私が片思いをしている相手は犬の散歩コースが同じ近所の男性(53才)です。お互いバツイチで飼っている犬の種類も一緒という共通点があり、自然と親しくなりました。
いまではお互いの家を行き来する“茶飲み友達”に。彼は若い頃にかなり女遊びをしていて、それで奥さんに逃げられちゃったらしく、“もう恋愛はこりごり”といつも言っています。だから私の気持ちは絶対に悟られてはいけないんです。“そうよねぇ。恋愛なんてしたくないわよねぇ”と話を合わせながら、心の中で彼にラブコールを送る。
本当は気持ちを伝えたいのに…という切なさも含めて、学生時代の恋愛みたいで楽しいです(笑い)。だけど何より、彼と過ごせる時間が大切なので、両思いになりたいとも気持ちを伝えたいとも思いません」(三上さん)
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片思いがもたらす心のトキメキは「脳の活性化を促すいい刺激となる」と語るのは、精神科医の和田秀樹さんだ。
「好きな人ができたことのワクワク感や期待感からは、“幸せホルモン”とも呼ばれる神経伝達物資のセロトニンが分泌され、精神が安定したり脳の回転がよくなったりするなどの効果が得られます。
相手に少しでもきれいだと思われたいと化粧や服装に気を配り、身だしなみを整えるようになることも、脳への刺激となり若々しさにつながります」
写真/PIXTA
※女性セブン2023年11月16日号
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