「めまいや耳鳴り、疲労感、猛暑の疲れかと思ったら…」本当は怖い症状別・病名逆引きリスト【医師監修】
症状例2:疲労感、手足の先にしびれ、手足の冷え、こむら返り、片頭痛、肩凝り、動悸、むくみ、不定愁訴(しゅうそ)
「梅雨入り頃から疲労感を覚えるようになり、夏本番を迎えるにつれてますますだるさが増すばかり。日によっては手足の先にしびれを感じたり、こむら返りを起こすようになりました。最初は熱中症かなと思いましたが、ちゃんと食事はできる。にもかかわらず、体重がどんどん減り続けてしまって…」
そう話すのは、大阪府在住の相原恵さん(52才・仮名)だ。
「不安になって病院に行き、血液検査を受けたら、糖尿病と診断されてびっくり。血糖値が449mg/dlになっていて、そのまま1週間の入院になりました。もう少し気づくのが遅かったら、合併症を起こし、失明などの可能性があったと言われ、ぞっとしました」(相原さん)
疲労感の原因は、糖尿病にあることも多い。きくち総合診療クリニック理事長の菊池大和さんは、夏場は糖尿病を悪化させやすい環境であると話す。
「暑い日は清涼飲料水などを飲む機会が増えますが、飲みすぎると糖分の摂りすぎを招いて血糖値が急激に上がってしまう。それがだるさの原因になります。調べてみると命を脅かすほどの高血糖だったというケースは非常に多い。清涼飲料水を毎日3本も飲むような人は特に要注意です」
熱中症対策として清涼飲料水を飲み、体に気を使っているつもりが、かえって体を悪くしてしまいかねないのだ。
夏バテを隠れみのにして、ホルモンバランスの乱れが発生しているケースもある。広島県に住む江副美佳さん(37才・仮名)が打ち明ける。
「昨年の夏は、ずっと疲労感や片頭痛、肩凝り、手足の冷えなどに悩まされていました。こんなにひどい夏バテは初めてだと思っていたら、そのうちにわけもなくイライラするようになり、生理も2か月間来なくなりました」
子供の健診のついでに医師に相談し、血液検査や尿検査を受けると、若年性更年期障害と診断された。江副さんは、2人目の子供を希望していることもあり、ホルモン治療を受けることを決意した。
「おかげで体調もだいぶよくなっています」(江副さん)
菊池さんによれば、江副さんのようにホルモンバランスが崩れるとだるさや動悸、むくみ、不定愁訴(しゅうそ)といった不調が起こりやすいという。
「もし違和感を覚えたら、一度病院で血液検査を受けてみることを推奨します。更年期障害以外にも、夏バテだと思い込んでいた患者が検査の結果、貧血状態だったとわかったケースも多いのです」(菊池さん)
岡田さんが続ける。
「夏風邪やインフルエンザ、新型コロナ感染症のかかり始めや、コロナ後遺症などによって、だるさを感じることもあります」
「疲労感」逆引きリスト
インフルエンザ、うつ病、うっ血性心不全、風邪、がん、肝炎、関節リウマチ、結核、更年期障害、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、若年性更年期障害、新型コロナ、睡眠時無呼吸症候群、線維筋痛症、鉄欠乏症、糖尿病、脳卒中、パーキンソン病、貧血、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)
夏バテが長期間続く場合は病院で診察を
食欲不振からめまいまで―その不調が夏バテなのか、それとも病気の兆候なのかはどう見分けるべきなのか。秋津さんは本来、夏バテは何日も続くものではないと話す。
「一日中暑いところで過ごしたなど、心当たりがあれば夏バテの可能性が高いでしょう。その場合、2、3日普通の状態で安静にしていれば、たいていは体調が戻ります。その後も不調が続くようなら、ほかの病気を疑う方がいいです」
手遅れにならないうちに、逆引きリストでチェックしてもらいたい。
写真/PIXTA
※女性セブン2023年9月7日号
https://josei7.com/
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