【夏バテ】【暑気あたり】を防ぐ!今すぐ始める9つの生活習慣
「今はどこもエアコンが効いているし、電車や車で移動する人が多いので、夏でも大汗をかくことはあまりありません。しかし、『涼しいところにいるから大丈夫』と油断したせいで、自分でも気づかないうちに夏バテしている人は意外に多いのです」
と、医師の今津嘉宏さんは言う。今津さんが院長を務める芝大門いまづクリニックには、夏になると「食欲がわかない」「1シーズンに何度も熱中症になる」「よくお腹を壊す」という不調を訴える患者が多く来院する。
「なかには『いくつも病院を受診したけれど、原因が見つからなかった』と言う患者さんもいます。こうした症状は、東洋医学的に見ると“暑気あたり”。いわゆる夏バテと判断できます」(以下、「」内は今津さん)
漢方には、暑気あたりや夏やせ、暑さによる食欲不振などに効く「清暑益気湯」や、暑気あたり、冷え腹、尿量減少を伴う口乾などに効く「胃苓湯」といった、夏バテに効果的な薬がある。しかし西洋医学には夏バテにあたる病名がないため、辛い症状があっても、対処しようがないケースがあると今津さんは話す。
夏バテ防止には冷え対策を!体力低下で免疫もダウン
エアコンが普及していない時代、夏になれば暑さが原因で夏バテするのが当たり前だった。しかし近年は、夏バテの原因が“冷え”である場合が多いと今津さんは指摘する。
「汗をよくかく人は、エアコンの効いた室内や車内に入ると体が急激に冷えてしまいます。汗をかくことでエネルギーを消費していますから、疲れと冷えのダブルパンチに見舞われるのです。一方、もともと体力の乏しい人はエアコンで冷えるとだるくなり、食欲不振や下痢をよく起こします。こういうタイプは梅雨頃からさまざまな不調に悩まされ続け、気分的に落ち込むこともあります。また、体力が低下すると免疫力も弱まり、夏風邪などの感染症にかかりやすくなります」
今津さんが夏バテ防止のために推奨しているのが、夏の冷え対策。
「人間の体は、寒くて冷え切るより、少々暑いくらいのほうが対応しやすいのです。とくにオフィスや電車内などは、ネクタイをしている暑がりの男性が快適でいられるよう、設定温度が低くなっていますから、外出先での冷え対策は必須。体を冷えから守ることで、睡眠の質がよくなり、夏風邪対策などの効果も期待できます」
そこで今津さんに、バテずに夏を乗り切る方法を紹介してもらった。普段の生活に取り入れて、不調知らずの夏を過ごそう。