なんとなく不調、疲れの原因はグルテンかも!?「3週間小麦抜き生活」のススメ|専門外来医がやり方を徹底解説
肌荒れや肩こりがなかなか治らない、ぐっすり眠れない、気づけば便秘が続いている――そんな“なんとなく不調”を疲れやストレス、加齢のせいだと放置していませんか。実はそれ、日頃食べているパンやパスタ、ケーキなどに含まれる小麦のせいかもしれません。試しに3週間、小麦を抜いてみませんか。それだけのことで、意外な変化を実感できるかもしれませんよ。
※糖尿病などの疾患がある人は、必ず医師に相談してから取り組んでください。
小麦のたんぱく質グルテンが炎症を誘発
「私たちの体は食べたものでできています。ですから、悪いものを食べれば体に不調をきたすのは当然のこと。その悪いものの代表例が小麦や大麦、オーツ麦などに含まれるたんぱく質“グルテン”なのです」
とは、グルテンフリー外来を開設するスクエアクリニック院長の本間良子さんだ(「」内、以下同)。
長く続く疲労感、頭痛、肩こり、関節痛、腹痛や下痢・便秘、胃もたれ、ぜんそくなどのアレルギー、肌荒れ、生理不順・生理痛、イライラ…こういった症状はすべてグルテンが関係していると本間さんは言う。ではなぜ、グルテンがさまざまな症状を引き起こすのだろうか。
「グルテンを構成している“グリアジン”という成分が腸内で“ゾヌリン”という物質を分泌します。ゾヌリンは本来、腸壁の細胞の結合部分を開いて、栄養素の消化吸収を助ける役割を果たしてくれますが、グルテンの摂取量が多くなると、細胞の結合部分が常に開きっぱなしになります。
すると、栄養素だけでなく腸内細菌や未消化の食べ物まで流出してしまいます。つまり、腸に穴があいた状態になるわけです。すると、腸壁から漏れ出した異物を排除しようと免疫機能が働き、炎症が起こります」
体内で炎症が起こると、副腎皮質から“コルチゾール”というホルモンが分泌され、炎症を鎮めようとする。ところが、小麦食品を毎日のように食べていると、コルチゾールの分泌が追いつかず、炎症が鎮まらなくなるという。
「コルチゾールは血糖値や血圧、免疫機能、自律神経などが正常に働くよう調整する機能もあります。ですから、これが不足すると、糖尿病や認知症、がんなどのリスクが高まるなど、体のさまざまな部分に不調をきたすようになるのです」
コルチゾールが不足するのは問題だが、逆に過剰分泌されるのもよくないという。
「コルチゾールの分泌を抑えるためインスリンが分泌されます。インスリンは余剰エネルギーを脂肪としてため込む働きがあるため、大量に分泌されると代謝が悪くなり、肥満の原因になります」
朝はパン、昼はパスタ、夜はカレーやシチューといった小麦粉中心の食生活を続けていると、体内では慢性的な炎症が起きている可能性がある。だから、小麦の摂取量を減らすか、すでに不調が現れているなら、しばらくやめることが大切になるのだ。
「もちろん小麦を大量に摂取していても、自覚症状がまったくない人もいます。小麦の耐性は体質によって異なるからです。しかし、気になる症状がすでに現れているようなら、小麦をやめてみるのはひとつの手です」
◆3つ以上チェックがついたらいますぐ脱・小麦生活にチャレンジ!!
□ しつこい倦怠感がある
□ 朝から元気が出ず、なかなか仕事に向かえない
□ 顔や手足がむくみやすい
□ 肩や背中がこっている
□ 昼食後(15~16時)によくぼんやりする
□ 夜になると目がさえて寝つけない
□ 朝起きるのがつらくてなかなか起き上がれない
□ お腹の調子があまりよくない(慢性的な便秘・下痢など)
□ お腹まわりやお尻の脂肪が気になる
□ 風邪がなかなか治らない。いつまでも咳が続く
□ 肌荒れ(アトピー性皮膚炎)がひどい
□ 生理不順がよくある
□ 人の名前や昨日食べたものなどが思い出せない
□ ネガティブな考えにとらわれてしまう