「蒸し大豆で厄払い」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第67話
漫画家のうえだのぶさんは、慢性膵炎を抱える母(80代)の母にために、膵臓にやさしい脂質控えめの食事を用意している。母の体調も心配だが、なんだか最近「ついていない」というのぶさん。母と迎えた節分に実践したこととは?
手首を負傷「うぎゃ~~!!」
珍しく私の話題です。左手首を負傷しました。遡ること3か月前――。
地元のお祭りに母と出かけた時のこと。人混みの中を並んで歩いていた母が突然ふらっとバランスを崩しとっさに私の左腕につかまってきました。後ろに倒れまいと全身の力を込め両手でガッツリ掴んでくる母を、両足を踏ん張り全身の力を込めて左腕で受け止める私。
「あ~~!!これ腕の腱切れるやつ~!!」と心の中で叫びましたが「ブチッ」みたいな音はせず母も転ばずに難を逃れた……のですが翌日から左腕が痛み始めました(以前母が肩の腱を痛めたのと同じ状況です)
でもあれですね。母が負傷したらすぐ病院!!てなるくせに自分のことなると「まあまあもう少し様子見ようか」ってなりますねぇ。だって病院行くの面倒だし、さらに治療費3割負担と思うとついつい…で、結局湿布貼って手首用サポーター買ってで様子見のまま年を越してしまいました。
最初は腕の腱全体が痛かったのが徐々に痛い範囲が狭まってきたので「これは自然治癒するかも」と期待しましたが、手首を曲げるちょっとした角度で「うぎゃああ~~~!!」と声が出るほどの激痛が走ります。
さすがに怖くなって年明け早々近くの外科に行ったところ「骨に異常はないのでこのまま湿布とサポーターで様子を見てください。でも治るのに1年くらいはかかるかも」と言われてしまいました。
あーやれやれ。これからこういう事が増えていくんだろうなあ…と介護の現実を噛み締める私でした。
一方の母はと言えば、一日に何度も「痛っ!!」「ああっ!!」「ううっ!!」と痛がる私を見て、「大丈夫かね~?」と心配しつつ「これで私が脚やら肩やら痛いって言う辛さがわかったじゃろ?(わかったでしょ?)」などといらん台詞を挟み込んできて、「誰のせいだと思ってんだ~~~!!」と逆上した娘に叱られています。
今年の節分は「気合い充分」その理由は?
そんなこんなの中での先日の節分。今年はいつもより気合を入れて行きました。というのも、今年はなんだか年明けからついてなくて…。
先月の中旬、母を連れて道の駅ドライブをしている最中、ダンプとすれ違いざまに「飛び石」に遭ってフロントガラスにヒビが入ってしまいました。保険で修理してもらえたけど今年の更新時には保険料が3万円近く金額が上がるって、ううう~。
というのも昨年の夏、母を連れて仕事に行った帰りに豪雨で車が浸水被害に遭ってしまい保険で修理してもらったばかりだからなんです。そういえばこの車、買ってすぐの時にも母を連れて行った道の駅で隣の車にドアをぶつけられて…。ん?
母?母なのか…?(冗談ですよ)
とはいえ奇しくも今年は母も私も年女(ええ丙午です、還暦です)。毎年恒例ではありますが、いつもより気合を入れて厄払いに行ってきたのでした。
本殿をお参りして福豆を頂き、炎立ち上るお焚き上げ場へ。古いお守りやお正月飾りを投げ入れた後、願いを書いた祈願棒を火の中に投げ入れます。
これまでは毎年「良い仕事ができますように」と願ってきた私ですが、今年はサポーターをした左手で握りしめる祈願棒にこんな言葉を書きました。
「平穏無事」
神様、これだけで充分です。これ以上は望みませんので何卒よろしくお願いいたします!!
母の祈願棒をちらりと見たら「健康で一年過ごせますように」と書いてありました。
まあ、あなたが健康なら私も平穏に暮らせるのでそれでよしとして後は…車のお祓いもしてもらった方がいいかなぁ。
やわらかくて食べやすい「蒸し大豆」
節分の日の晩ごはんはもちろん「恵方巻き」です。高齢の母に太巻き1本はきついので、ここ最近は2人で1/2本ずつ食べています。サイドメニューはお総菜コーナーで買った「いわしのフライ」にコラーゲンが摂れる「鶏皮串」と鉄が摂れる「レバー串」。
さらに「最近硬いものがつらいんよ」と言う母のために「炒り豆」の代わりに「蒸し大豆」を入れた汁物を作りました。水煮大豆よりも栄養価が高いので、おかずが少ない時などの「ちょい足し用」に常備しています。すぐ食べられて柔らかいので便利です。
――と母の心配をした食事の後。ふと見ると母がポリポリと「炒り豆」を食べているじゃあーりませんか!!
私「ちょっと! そんな硬いの食べて大丈夫なん!?」
母「あ~これはね~、嚙み砕けるから大丈夫なんよ。”野菜の硬いの”とか”お肉の硬いの”が辛いんよね~」
なんじゃそりゃ。それって「野菜はもっと柔らかく煮て」とか「もっと脂が多くて柔らかい高級な肉を食わせろ」という要求ですか?勝手がすぎるぞ。
母「あんたも私の年になったらわかるいね(わかるわよ)」
うわームカつく! すでに心が「平穏無事」じゃないんですけど神様―!!
食後の豆まきは声を張り上げて「鬼は外~!!」と玄関から豆を投げ散らかす私でした(翌朝母が掃除してました)。
NOオイルMemo「手軽で便利な蒸し大豆」
水煮じゃなくて“蒸してある”大豆です。スーパーの缶詰コーナーやレトルトの煮豆などと一緒に並んでいることが多いです。水煮と同じくそのまますぐ食べられますが、水煮よりもたんぱく質やミネラルの量が多いので「食べる量が少なくてすむ」のがメリットだなと思っています。
例えばたんぱく質を10g摂りたいと思ったら、木綿豆腐だと約150g必要ですが、水煮の大豆なら約80g、蒸し大豆だと約60gくらいですみます(*商品によって違いはあります)。汁物や煮物、炒め物、カレーなんかにも「ちょい足し」できるし、硬いお肉が辛い母にもラクに食べてもらえますね。
ただ、脂質も木綿豆腐の倍近くあるので「食べ過ぎ」にはご用心ください(木綿豆腐:4.9g、蒸し大豆:9.8g *100gあたりの脂質)。
参照:日本食品成分表2025(八訂)。
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。59才。山口県で83才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
『読者体験!リアル迷惑人間大集合1 』Kindle版が発売中。
