人気料理家ウー・ウェンさんに学ぶ中国家庭料理 野菜の和え物とえび春巻きの作り方
料理研究家 ウー・ウェンさんの故郷、中国では春節に食べるお祝い料理がたくさんあるんだそう。ハレの日に食べる中国の家庭料理は、栄養バランスもよく普段の食卓にも取り入れやすいものばかり。紅白の彩りが美しい2色の和え物と、おめでたい食材でもあるえびの春巻きの作り方を教えてもらいました。
「紅白の和え物」幸福を意味する祝祭色
医食同源が根づく中国では、野菜、肉、魚などをバランスよく食べ、体の内側から整えることが大切だという。れんこんはその形状から「幸運が繋がるように」という願いを込める。また中国では赤は「幸福、幸運」を意味する祝祭色。紅白で春節の食卓にぴったり。
「 “医食同源”の考えに基づき、食べることこそが健康の源。甘い、塩辛い、酸っぱい、苦い、辛いの“五味”と、赤、黄、青、白、黒の“五色”を基本とする、“五味五色”の料理をいただくと、自然と栄養のバランスが整います。我が家では、気取らず普段の家庭料理の品数を増やして、家族の喜ぶメニューを食卓にたくさん並べてお祝いしています。和えるだけで手軽に作れる野菜たっぷりの和え物も春節には欠かせませんね」
★にんじんのあんず和えの作り方
自然でさわやかなあんずの酸味に元気をもらって
【材料】(2人分)
にんじん…1~2本(150~200g)
干しあんず…6個
塩…小さじ1/4
こしょう…少量
ごま油…大さじ1
【作り方】
【1】にんじんは皮をむき、スライサーなどで千切りにする。ザルに入れ、熱湯を回しかけ水気を切る。
【2】ボウルに【1】、千切りにした干しあんずを入れて和え、塩、こしょう、ごま油で味を調える。
★れんこんの甘酢和えの作り方
棒状のれんこんはシャキッとした歯応え新しい食感に心も整う
【材料】
れんこん…1節(200g)
A 黒酢…大さじ3 はちみつ…大さじ2 ごま油…大さじ1/2 塩…小さじ1/3
【作り方】
【1】れんこんの皮をむき、穴に沿って棒状に切る。3%の酢(分量外)を入れた湯で7~8分ゆで、水気を切る。
【2】混ぜ合わせたAに【1】を入れて和え、2~3時間漬ける。
「春巻き」は芽吹きの春を象徴する料理
春の訪れを祝い、1年を健やかに過ごせるように願う春節の食卓で、開運パワーがあるといわれるのが「春巻き」だ。冬に溜まった体内の毒素を排出するため、緑色の春野菜をたっぷり巻いて食べたことから、芽吹きの春を象徴する料理になったともいわれている。
「春巻きには“春を呼び込む”華やかなイメージがあります。今回はお正月らしくおめでたいえびをたっぷり巻きました。
えびは細かく叩かず、包丁の背で軽く潰して食感を残すのがポイント。高温で揚げると皮だけすぐに焦げてしまうので、180℃くらいの温度でゆっくり火を通しましょう。目で見て、音を感じながら、表面がきつね色になるまでカラッと揚げてくださいね」
★えび春巻きの作り方
皮の中でじっくり蒸されたえびがプリプリと弾ける
【材料】(4本分)
むきえび…150g
酒…大さじ2
こしょう…少量
塩…小さじ1/4
片栗粉…小さじ1
春巻きの皮…4枚
揚げ油…適量
A 小麦粉・水…各大さじ1/2 B 豆板醤…小さじ1 ごま油…小さじ1/2
【作り方】
【1】むきえびに酒を振ってよくもみ、きれいに洗って水気をしっかり拭き取る。包丁の背でえびを軽く潰し、こしょう、塩で味を調え、片栗粉をまぶす。
【2】【1】を4等分して春巻きの皮で包み、混ぜ合わせたAで巻き終わりを留める。
【3】揚げ油を180℃に熱し、【2】を入れ、きつね色になるまで揚げる。
【4】器に盛り、混ぜ合わせたBをつけて食べる。
●POINT
きつね色が揚がったサイン
教えてくれた人
ウー・ウェンさん/料理研究家
中国・北京出身。ウー・ウェンクッキングサロン主宰。医食同源に根ざした料理が人気で、中国の暮らしや文化を伝えている。『10品を繰り返し作りましょう』(大和書房)など著書多数。
撮影/竹内章雄、鈴木泰助 取材・文/岸綾香
※女性セブン2023年2月9日号
https://josei7.com/
●ほっけのエスニックサラダ、ししゃもの春巻き|干物をアジア風に…藤野嘉子さん