ご当地冷そば「山形・だしおろし」「長野・くるみ」「栃木・かて」…再現レシピ「手に入りやすい食材で」
長野県、福井県、栃木県…日本各地で食べられている冷たいご当地そばを、手に入れやすい食材を使って料理研究家・渡辺あきこさんに再現していただいた。今年の夏は各地のそばを自宅でもたのしもう。
※分量は2人分です。記載のない食材や調味料は好みで調整してください。※電子レンジは600Wを使用しています。
※麺は袋の表示通りにゆで、冷水でしめたものを使用しています。
※めんつゆは特記のもの以外、3倍濃縮のものを使用しています。
シンプルな麺はだしや具材の個性が決め手
「ご当地そばの地域性は、だしや具材に表れます。例えば、大根のしぼり汁やきのこの煮汁のだしなど、なじみの食材を驚きの発想で食べるのが魅力です」
そして、具材の目玉はやはりその土地ならではの特産品。地元で採れる新鮮食材が加わることで、よりおいしさが増す。
【1】山形県・だしおろしそば
刻み野菜たっぷりの“だし”は食感が楽しい
夏野菜と香味野菜を刻んで味付けした「だし」は、山形の夏に欠かせない郷土料理。
つゆ:なし
具材:だし、大根おろし など
<作り方>
【1】きゅうり、しょうが、みょうが、青じそを5mm角に切り、めんつゆ大さじ3と和える。
【2】器にそばを盛り、【1】、大根おろしをのせる。
【2】長野県・くるみそば
甘く濃厚なくるみだれが麺にしっかりと絡む
生産量日本随一のくるみと、信州そばのタッグ!
たれ:かつお、くるみ など
具材:なし
<作り方>
つけ汁はくるみ30gをすりつぶし、めんつゆ大さじ2、水1/2カップを混ぜて作る。
【3】福井県・越前おろしそば
400年以上前から伝わる伝統のそば
福井では一般的なそばの食べ方で、冠婚葬祭や年越しそばとしても人気。
だし:かつお 昆布 など
具材:大根おろし、かつおぶし など
<作り方>
器にそばを盛り、大根おろし、ねぎ、かつおぶしをのせ、つゆをかける。
【4】栃木県・かてそば
にらや大根でボリュームも風味もアップ
にらや大根を加えることでかさ増しになるため、凶作のときに生まれたとされている。千切りにした大根とにらをゆで、小分けにしたそばと盛り、つゆにつけて食べる。野菜の風味も加わり、おいしく味わえる。小分けに盛ることで、麺同士がくっつきにくくなる効果も。
だし:かつお など
具材:にら、大根 など
【5】栃木県・ちたけそば
栃木産「ちたけ」の芳醇な香りが広がる
栃木県民が好んで食べるきのこ「ちたけ」は、いまや高級食材。郷土料理のちたけそばには、炒めたちたけとなすが必須。
だし:かつお、ちたけ など
具材:ちたけ、なす
<作り方>
家庭で作るときは、ちたけ(水煮)となすを油で炒め、めんつゆ1/4カップ、水11/2カップを加えて煮て冷まし、つけ汁に。
【6】東京都・もりそば
江戸っ子が愛するファストフード
江戸時代、立ったまま食べる簡易食として庶民に普及。つゆは、しょうゆとみりんを1:1で煮詰めた「江戸汁」だった。もともとは麺のみだったが、現在ではのりを散らすのが主流。
だし:かつお、さば など
具材:のり、さわび など
【7】兵庫県・出石皿そば
白く小さな出石焼の皿に小分けしたそばを豊富な薬味で楽しんで
5枚1組を一人前とするのが兵庫・出石に伝わる伝統作法。5枚の小皿にそばを盛り、とろろやうずらの卵、薬味を入れたつゆにつけて食べる。
だし:かつお、昆布 など
具材:うずらの卵、とろろ など
教えてくれた人
渡辺あきこさん/料理研究家
和食の知恵と技を活かした家庭料理を得意とし、雑誌やテレビ、書籍などで活躍中。日本各地の郷土料理の研究がライフワーク。
撮影/玉井幹郎 取材・文/スペースリーブ(加藤 瞳、竹内里奈)
※女性セブン2022年7月7・14日号
https://josei7.com/
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