ハマる人続々!苔テラリウムの作り方|ガラスの中で美しく成長する苔に癒やされる
自宅で簡単に緑あふれる生活ができると、いま話題の「コケリウム(=苔テラリウム)」。 最近はイベントやワークショップも大盛況で、「始めてみたい!」の声が急増中。そんな流行のコケリウムの作品や作り方をご紹介します。素材や道具を集めればすぐに始められるので、ぜひチャレンジしてください!
苔テラリウムって?
「テラリウム」はラテン語の「テラ(大地)」と「リウム(場所)」を合わせた造語で、ガラスなどの透明な容器の中で植物を育てて楽しむミニガーデンのこと。誕生は19世紀のヨーロッパで、世界中に愛好者がいる。そのなかでも苔をメインにした「苔テラリウム」は、手軽で場所を取らず、特別な育て方も必要ないとして、人気急増中。
苔テラリウムの実例 癒される力作をご紹介!
苔は時間とともに美しく成長し、容器の中の景色も変化。メンテナンスを行えば長い間、その過程を楽しむことができる。
◆育てて楽しむ、自分だけの緑の小世界!
◆「ほら穴」がテーマ。高低差がワイルドで神秘的な雰囲気を盛り上げる。
◆テーマは「山道」。ごつごつした岩が主役で、原生林を思わせる風景。
苔テラリウムに必要な素材と道具をチェック
ひとりの時間を楽しみながら、ゆっくりじっくり作品を生み出していけるのが苔テラリウムの魅力。さっそく作ってみましょう!
<用意する素材>
(1)苔(好みで3種類ほど。上からヒノキゴケ、シッポゴケ、ホソバオキナゴケ)
(2)好みの石と好みのフィギュア(今回使用したのはウサギ)(底にピンを装着する)
(3)テラリウム用の土 大さじ4程度(専門店で購入を)
(4)水
(5)密封できるふたつきガラス容器
(6)砂(好みで3~4種類)
容器はガラス製の口の広い花器を使用(高さ8cm、最大直径11㎝)。ふたは透明で、のせると口が完全にふさがるサイズのものを。容器と石は、よく洗って乾かしておくこと。
<用意する道具(手入れ用も含む)>
(1)霧吹き
(2)キッチンペーパー
(3)ピンセット
(4)細い薬さし(ミクロスパーテル)
(5)スプーンつきのへら
(6)はさみ
(7)ステンレスボウル(小)
(8)デジタルタイマー
そのほか大さじスプーンやスポイトがあると便利。道具は、必ずさびないステンレス製のものにし、奥まで届きやすい長めタイプを選び、まとめてトレーにのせておくと使いやすい。デジタルタイマーはLEDライトを使う際にセットしておくと便利。
★準備いらずのキットが便利!
必要な道具や素材がセットされているから、すぐに始められる! 「苔のテラリウムてづくりキット」5500円(テラリウムス)
苔テラリウムの作り方
【1】容器に土を入れる
土は量が多すぎると息苦しい印象を与えるので、容器に対して1/3以下程度に。水平ではなく、斜面にすると立体的に見える。
【2】石を配置する
石の底が1/3程度埋まるように押し込む。高低差を意識しながらバランスをとる。
【3】へらで表面をならす
立体的になるよう意識しながら、へらで軽く押さえるようにして表面を整える。
【4】土に水を含ませる
丸型の洗浄ボトルを使うと便利。すべての土の色が濡れた色に変わり、しっかり染み込んでいるのを確認しながら。水の量が多すぎてバシャバシャになってしまった場合は、スポイトで吸い取る。
【5】土台になる苔を植える
(右)苔を一株ずつピンセットでつまみ、下についている土を指で払う。(左)ピンセットごと土に直角に差し込み、苔全体の8割程度を埋める。薬さじの先で押さえながら、ピンセットをそっと抜く。これをくり返して、植えたいエリアに隙間なく植えていく。
【6】高さのある苔を植える
続けて、同じ要領で残りの苔をバランスよく配置しながら植えていく。長すぎるものは、葉の生え際を2cm程度残してカットしてから(苔は根がないので、どこで切ってもOK)。 この工程中に作業を中断する場合は、ふたをして直射日光の当たらない場所に置いておく。
【7】再度へらで表面をならす
へらで土を軽く押さえながら表面の凸凹をならす。
【8】砂をふりかける
苔にかからないように砂をふりかけて、表面の土を覆う。その際、びんを傾け横に揺らすと均等にふりかけられる。黒い砂は背景のラインをくっきり見せる効果がある。
【9】粒の大きな砂をおく
大きめの砂を、バランスを見ながら配置する。全体のアクセントにもなり、自然な風景が演出できる。
【10】霧吹きで水やり&洗浄
砂や苔にまんべんなくかけるほか、容器の内側にもプッシュして砂汚れを流し落とす。
【11】容器の汚れをふく
キッチンペーパーを細く割いて丸めたものをピンセットでつまみ、容器の内・外の汚れをふき取る。容器の外側は指紋などで意外に汚れがちなのでクリアな状態にリセット。
【12】フィギュアを挿しこむ
フィギュアは腐食しない素材(プラスチックなど)を選んで。なお、流木や貝、ゴム製、鉄製のものも、腐食やかび、さびの危険があるので使用は避けること。
★1時間で完成!
あとはふたを閉めて密閉状態にし、適切な環境下で苔の成長を見守って。
苔テラリウムを美しく保ち、長く楽しむ秘訣は?
●どこに置いて育てればいい?
→直射日光の当たらない明るい室内に置いて
高温で直射日光の当たる場所は、容器の中が熱くなりすぎて苔が枯れてしまう危険が。室内が暗い場合は日中10時間ほどLEDライトを当てて、光合成しやすい環境に整えましょう(蛍光灯では光合成をしないので注意)。
●水やりや肥料は必要?
→水やりは1か月に1回、肥料は不要
苔は葉から水を吸うので、霧吹きなどで苔全体に湿る程度まで与えてください。光合成で充分なエネルギーを作り出せるため肥料は必要なく、逆に枯れる原因になる場合もあるので基本的には水だけで育てます。
●容器の内側がくもってきたら?
→容器内の水蒸気が過多な場合が。水分調節を
水蒸気でくもった状態は、土が給水しきれていないサイン。スポイトなどで土の水を抜き、容器内側の水分をふき取るなどして調節を。基本はふたを閉めて湿度を保ち、苔や土を乾かさないようにしましょう。
教えてくれた人
川本毅さん/苔テラリウム作家
テラリウム専門店「Terrariums(テラリウムス)」主宰。ワークショップやイベントを精力的に行い、テラリウムの魅力を伝えている。
東京・杉並本店の店内。活動詳細はインスタグラムで確認を。 https://www.instagram.com/terrariums_suginami
撮影/村尾香織
※女性セブン2022年6月23日号
https://josei7.com/
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