尿モレ、膀胱炎、かぶれ…誰にも言えない【シモの悩み】改善法
●萎縮性膣炎
「更年期を過ぎると萎縮性膣炎が起こります。これは膣の乾燥により、ヒリヒリ感や灼熱感を感じたり、膣まわりの粘膜の厚みが減り、まるでせんべい布団のように薄くなる状態です」(前出・八田さん、以下同)
こうした症状の原因は、エストロゲンの低下による膣の老化にあるという。
「膣まわりの血流が悪くなり、膣内のコラーゲンを作る細胞と分泌液も減少するため膣内の自浄作用も落ちてきます」
乾燥に加え、かゆみのもととなる雑菌や常在菌の繁殖が増加するのはそのせいだ。少しでも症状を緩和させるためには、生活習慣の改善が不可欠だ。
「膣を若々しくするためには、腸内細菌を整えることも大切。膣内の善玉菌である乳酸桿菌(かんきん)のパワーを活かす食生活を心がけて。みそや納豆といった乳酸菌が多く含まれる和食などを中心に、バランスのよい食生活をおすすめします」
また、弱酸性の専用石鹸などを使って洗うのが望ましい。泡立てた後、指の腹で優しく洗う。ごしごし洗いはNGだ。意外に思えるが、運動による効果も大きい。
「週3回以上、30分以上のウオーキングなど有酸素運動を行って。血管年齢を若返らせることで健康的に、かつ膣まわりの血流もよくなり、潤いが戻ります」
教えてくれた人
八田真理子さん/『ジュノ・ヴェスタクリニック八田』産婦人科医。日本産科婦人科学会認定ヘルスケアアドバイザーとして更年期医療を数多く行っている。
藤島淑子さん/『川崎共同病院』婦人科医。15年前から尿モレ外来を開設。骨盤底機能不全症の診察や治療にも力を注ぐ。
イラスト/うえだのぶ
※女性セブン2018年9月27日号