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暮らし

【男性の軽い尿もれ】経験者は3人に1人。悩みを抱えるのに放置する人が多数!その実態と対策ツール最前線

 年を重ねると、体調にまつわる不安が増えてくる。特に、排泄の悩みはデリケートなことなので、なかなか人に話しづらく、一人で抱えてしまいがちだ。しかし、調査によれば、男女ともに軽い尿失禁を経験している人は案外多いことが判明している。介護関連の取材歴10年のエディターが、尿もれ対策の最前線を紹介しながら、心構えや社会のあり方を考える。

執筆:関和子

介護ポストセブン前編集長。現在はシニアエディターとして、介護が必要な人へ役立つ情報や、介護要らずに暮らす健康の知恵などを発信するために、介護当事者や専門家に取材し「介護をもっと明るく、前向きに捉えてほしい」との思いで記事作りに取り組む。要介護3の母(他界)の介護を経て、現在は要介護1の父を通いながらサポート中

軽失禁対策していない男性が多数

 軽い尿もれを経験する(した)人は男女ともに多く、「介護マーケティング研究所 by 介護ポストセブン」の調査※では、女性は2人に1人、男性は3人に1人の割合で「経験あり」と回答しています。加齢や病気など、その原因やきっかけはさまざまでしょうが、尿もれはもはや誰にでも起こりうることとして捉え、積極的に対策を講じたいところです。

 しかし、実際には女性に比べ、男性は対策していない人が多い実態が明らかになっています。軽失禁経験者のうち、女性の72%が対策している(していた)一方、男性は33%にとどまっています。加えて、男性の対策の中で最も多いのが「シミの目立たない服を着る」(約48%)という結果でした。女性は「尿もれケ用のパッド・シートを使う」人が最多であるのと比べると、男性はいわば「対策していないに等しい」状態であることがうかがえます。

 男性の場合、パッドなどを使用しても「捨て場所がトイレにない」という問題も大きいと考えられます。故・アナウンサーの小倉智昭さんは、膀胱がんの手術後に尿取りパッドが必需品となったことから、男性用サニタリーボックスの設置を積極的に訴えていたことで知られます。同調査※でも、以下のような声が多く寄せられています。

・「男性トイレにパッドが置いてあれば助かりそう」(45歳・男性)
・「男性トイレにもサニタリーボックスが必要」(58歳・男性)

※「軽い失禁(軽い尿もれ)について実態と対策、性別ごとの意識調査」
https://kaigo-postseven.com/198440

 性別や年齢に関係なくトイレで処理ができるようなインフラの整備不足も含め、社会全体で排泄への理解が追いついていないのが現状。そのため、特に男性はますます排泄の悩みを話題にしにくいのかもしれません。

 女性用の尿もれ対策商品はテレビCMなどで目にすることも多く、ドラッグストアでも生理用品と並んで置いてあるため手に取りやすい環境です。一方、男性は「買いにくさを払拭する広報活動が活発になってほしい」(41歳・男性)、「ネット販売などで買いやすくしてほしい」(54歳・男性)という声に代表されるように、専用商品を購入する機会にも恵まれていません。

「話題にしづらい」「対策商品を購入しにくい」「パッドなどの捨て場所がない」……。こうした悩みを抱えて人知れず困っている方々の心境を察すると、私は声を大にして、「あなた一人じゃない、みんなで考えましょう」と言いたくなります。

 実は、この深く繊細な悩みの解決に向けて、さまざまな企業で製品開発が進んでいます。取材の中で見つけた対策製品・ツールには、全く新しいアプローチもあり非常に興味深いものです。

ここまで進んでいる排尿対策ツール

 今回は、男性の軽い失禁をはじめ、状況に応じて対策できるアイテムの最前線をご紹介します。

(以下、製品の価格や詳細は、各HPでご確認ください)

●「タイムシフト(TIMESHIFT)」(イントロン・スペース)

 この製品を見つけたとき、私は正直驚きました。“革新的な尿ケア製品”と謳われていますが、その言葉通り、尿もれの概念そのものが変わるこれまでにない製品です。

 世にある対策商品の多くが「吸収型」である中、男性器に直接装着するデバイスで「ためて流す」方式である点が特長。仕組みはシンプルで、もれた尿を製品本体にため、トイレに行けるときに、たまった尿を捨てるというもの。メリットとして、以下が挙げられています。

・尿が直接肌に触れないため、ニオイや肌への負担も軽減し、快適に過ごすことができる。
・体より柔らかい素材でできており、装着したまま外出や運動が可能。
・パッドやオムツが不要になるため、外出先での「捨て場所」に困らない。
・一日装着したまま尿だけ捨てられるので、介助側の負担も軽減される。

 設計上は「排尿2回分(約300ml)」を想定していますが、実際には1L程度の保持も可能。朝装着すれば夜まで、夜装着すれば朝まで、快適な時間を過ごせるといいます。

「タイムシフト(TIMESHIFT)公式HP」
https://shop.timeshift-is.com/

●「DFree(ディフリー)」(排泄予測デバイス)

 超音波センサーを使用して、膀胱内の尿のたまり具合をリアルタイムで計測し、排尿のタイミングを事前に通知するウェアラブルデバイスです。

 下腹部に貼り付けたセンサーが、尿のたまり具合を10段階で表示し、設定した「そろそろ通知」でトイレのタイミングを知らせます。排尿に悩みを抱える本人が使用したり、家族など介助・介護をしている人が活用できます。メリットは以下になります。

・「たまり具合」を見える化する画期的なアプローチ。
・男性・女性・子供と、性別や年齢を問わず利用可能。
・個人向けモデルは「特定福祉用具」や「日常生活用具」として、介護保険や自治体の補助で購入可能な場合も

「DFree公式HP」
https://dfree.biz/

男性用シート・パッド

 ドラッグストアの店頭ではまだ種類が限られますが、男性用のインナーシートも進化しています。

●「ネピア B-lock(ビーロック)」(王子ネピア)

 男性用として最薄級ながら、高い吸水力を備えています。アウターに響きにくく、スマートに活用できます。吸収量は30ml、60ml、120mlの3種類。銀イオン消臭ポリマーとニオイ吸着シートのダブル効果で気になるニオイ対策も万全。洒落たデザインの個包装で、携帯しやすいのも高ポイントです。

「ネピア B-lock公式HP」
https://www.nepia.co.jp/product/care/men/b-lock/

●「ライフリー さわやか男性用」(ユニ・チャーム)

 市場で圧倒的なシェアを誇る「ライフリー」ブランドの男性版。3cc、5cc、10ccの「ちょいもれ」用シートから、最大250ccまで対応するパッドまで、幅広いラインナップが魅力です。

 特に、排尿後に意思とは無関係に数滴垂れてしまう「排尿後尿滴下(はいにょうごにょうてきか)」に悩む男性は多いと聞きます。加齢や肥満、病気などが原因となりますが、服にシミを作ってショックを受ける前に、こうしたシートでさりげなく対策するのも一つの手ですね。

「ライフリー さわやか男性用公式HP」
https://jp.lifree.com/ja/sawayakamen/products.html

尿もれ対策用アンダーウェア

 吸水・消臭パッドと下着が一体になったパンツも多数商品化されています。 見た目はトランクス型の普通のパンツですが、吸水布に抗菌・防臭加工が施されています。ゴルフや温泉に行った際に、周囲の目を気にせず過ごせることが最大のメリット。尿量やサイズ展開も豊富ですが、店頭には並びにくい傾向があるため、ネット検索で自分に合った一枚を見つけるのがおすすめです。

 * * *

排泄の悩み。人にも自分にも寛容でいる

 先日実施された「介護のなかまカフェ」セミナーのテーマは「排泄のお悩み解消術」でした。排泄ケアについて、日頃から積極的に発信をする皮膚・排泄ケア認定看護師の浦田克美さんによるパッドやおむつの選び方、使い方などわかりやすいレクチャ―は大変反響があり、悩みを抱えている人が多いと改めて実感しました。浦田さんは、「眼鏡をかけるように、困ったときはツールを活用することがQOL(生活の質)を上げる秘訣」と話します。

 デリケートで相談しづらい悩みゆえに一人で抱えてしまいがちですが、調査結果からもわかる通り、これは誰にとっても他人事ではないテーマ。サニタリーボックスの設置が進むなどインフラの整備は必須ですし、社会全体で「軽失禁対策が当たり前」と捉えられるよう、人にも自分にも寛容でいることが大切です。便利なツールの情報をシェアし、困ったときには支え合える――この記事がその一助になれば幸いです。

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