「肺活」にいい4大ツボと経絡(けいらく)体操「咳や喉痛を抑えて息が楽になる」
東洋医学が誇るもう1つの知恵である「ツボ」は、現代医学では未解明ながら2000年以上前の発見から今日まで、押せばここに響くという経験則を積み重ねてきた。そうした理論に基づき、コロナ禍のマスク生活で疲れた“肺”に効く代表的な4つのツボと、おすすめの経絡体操を伝授します。咳や喉痛を抑えて、呼吸を楽にしませんか。
肺機能を上げるツボは4つ
肺は呼吸の大本で、中医学では大腸や免疫力を司る器官とされている。
「肺が弱ると咳や喘息、花粉症などにかかりやすくなります。でも、これらの症状が出たときに肺経のツボを指圧すると咳や喉の痛みを抑えて息が楽になる。呼吸力や肺機能を高めることも可能です。また肺経は、免疫に深くかかわる大腸経と表裏の関係にあるので、大腸経のツボの指圧は肺機能向上にもつながります」
そう話すのは、鍼灸師で国際中医師の瀬戸郁保(いくやす)さんだ。
なかでも、肺の機能を高めるのに押すといいツボは4つある。それは、「経渠(けいきょ)」「尺沢(しゃくたく)」「合谷(ごうこく)」「曲池(きょくち)」だ。
「経絡は古代中国の医学で考案された気血(※)の流れる通路で、その要所にあるツボを刺激することで内臓に働きかけることができ、体調も改善できます。肺活のためには、鎖骨下から腕、手の先まで通る肺経と、手の人差し指の親指側からひじを越え、肩関節の前に向かう大腸経をセットで刺激するのが効果的。肺経の2つのツボと、大腸経の2つのツボを1日1回、指先で3~5秒じんわりと指圧します。日課にしたら風邪をひかなくなったという声もよく聞きます」(瀬戸さん)
時間を要する腸活に比べ、肺活はすぐできる。あなたも今日から始めませんか?
(※)気血(きけつ)は東洋医学の基本概念の1つで、生命活動に重要となるエネルギーのこと。
この4つのツボへの指圧が肺活に効く!
【1】経渠(けいきょ)
手のひら側の手首で親指側、手首のしわから約1.5cmの位置にある。肺の免疫力強化に非常に有効な肺経のツボ。
【2】尺沢(しゃくたく)
ひじを曲げて出てくる固い腱の外側にあるツボ。咳でつらいとき、ここを押すと咳止めの効果がある肺経のツボ。
【3】合谷(ごうこく)
手の甲で親指と人差し指が交差するあたりのくぼみ部分。押すとやや痛気持ちいい。喉の乾燥に効く大腸経のツボ。
【4】曲池(きょくち)
ひじを曲げたときにできるしわの外側の端にあるツボ。鼻や喉、気管や肺など呼吸器官の働きを整える大腸経のツボ。
肺経・大腸経の経絡体操
【1】親指と人差し指の交差するくぼみにあるツボ・合谷を押すように両手を後ろ手で組み、背筋を伸ばして胸郭を広げる。
【2】【1】の腕を上げ、息を吐きつつ上体を前傾させる。
【3】息を吐き切ったら息を吸いながら上体を起こし、腕を下ろす。
【1】~【3】を3セット反復後、左右に体をひねり、最後に鎖骨下のツボ・中府(ちゅうふ)を指先で軽く刺激して終了。
教えてくれた人
鍼灸師・国際中医師 瀬戸郁保さん
源保堂鍼灸院院長で、鍼灸師・国際中医師。古典鍼灸の大家に師事し経絡治療・本治法を修得。著書に『長生きをしたければ、「親指」で歩きなさい』(学研プラス)など。
取材・文/北武司 イラスト/青木宣人
※女性セブン2022年3月17日号
https://josei7.com/
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