足が冷えて眠れない人は布団に入る前に押してみて!冷えを改善、疲労やイライラにも効くツボ6種
寒い夜、足が冷えて眠れないと悩む女性は多い。中には湯たんぽや電気毛布を利用してもなかなか眠れないという人も。そこで、冷えに悩んだ経験をもつ専門家に、ツボを押して冷えを改善する方法を教えてもらった。
冷えを強く感じるとき足裏のツボを温めながら押す
「入眠前にツボを押すことで、さらに血行がよくなり、寝つきやすくなります」と言うのは、鍼灸師で理学博士の安野富美子さんだ。
体のツボは、WHO(世界保健機関)により361か所が認定されている。ツボに鍼を刺して刺激を与えると血管拡張物質が増加し、血流が改善することがわかっているのだ。このツボを指などで刺激するだけでも同様の効果が期待できる。
「ツボの大きさは直径8mmくらいで、位置は人によって多少のズレがあります。指先で探るように軽く押し、圧痛(押して痛い)、硬結(小さなしこり)、くぼみなどを見つけたら、そこがツボ。指の腹を使って、痛気持ちよく感じるくらいの力でやさしく押してみましょう」(安野さん・以下同)
冷えを強く感じるときは、ツボを温めながら押せばさらに効果が高まる。50~60℃程度のお湯を入れたペットボトルの角を使ってツボを押したり、ドライヤーの弱温風を冷たい部位やツボのあたりに当てるのも有効。足湯代わりにドライヤーで足の裏を集中的に温めることもできる。
1.足先までの血流を促す【八風/はっぷう】
足指の股の関節のすぐ手前にあるツボ(両足合わせて8か所)。
押し方は、椅子に座って右足を左ももにのせ、左手で右足の指先を持ち、ゆっくり5つ数えながら指を前方に曲げていき、同様に5つ数えながら戻す(5回繰り返す。左足も同様に)。冷えが強いと足指を曲げたときに痛みが出るが、痛みが強い場合は指を曲げずに足指の間に指を入れ、指の腹でこする程度に。
2.腹部の冷えに効く【関元/かんげん】
おへそから指4本分下にある、体を根本から温めるツボ。
仰向けに寝て両手の中指を合わせてツボに当て、息を吐きながら骨盤の中心に向かってゆっくり押し、3つ数えてから緩める(5回繰り返す)。ペットボトル温灸をするのも◎。
3.足の冷えやイライラに【太衝/たいしょう】
足の親指と人差し指の骨の根元が交わる、V字型のくぼみにあるツボ。
人差し指でツボをやさしくゆっくり2回押し、3回目は強く押す。これを5回繰り返す(逆の足も同様に)。
4.更年期症状も和らげる【三陰交/さんいんこう】
内くるぶしの上から指4本分上で、骨の際にあるくぼみ。
冷えて足がだるいときや冷えのぼせに有効。子宮の機能などに働きかけるツボで、女性ホルモンの乱れを調整し、月経痛や更年期症状などの婦人科症状にも◎。
5.疲労や不眠に効く【湧泉・失眠/ゆうせん・しつみん】
足指を曲げたとき、足の裏にくぼみができるが、そこにあるのが「湧泉」。
だるさや疲れに効くツボだ。また、かかとの中央部にある「失眠」は、古くから不眠の特効穴として知られるツボ。両方を押圧すればリラックス感を得て入眠できる。
6.ストレスにも効く万能ツボ【合谷/ごうこく】
手の甲を上に向け、人差し指と親指の骨の合流点からやや人差し指側にあるツボ。
体の不調に効く「万能のツボ」といわれ、ストレスを和らげるとともに、頭痛、肩こり、風邪症状などの緩和効果も。
教えてくれた人
イシハラクリニック副院長・石原新菜さん/医師。父・石原結實氏のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、病気の治療にあたっている。温活ドクターとして知られ、「冷え」に関する著書多数。
東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授・安野富美子さん/鍼灸師、理学博士。20代後半のとき鍼灸治療で、長年続いた体調不良がすっかりよくなったことがきっかけで鍼灸師に。『東洋医学でカラダと心をセルフケア!』(主婦と生活社)を監修。
取材・文/山下和恵 イラスト/うえだのぶ
※女性セブン2021年12月16日号
https://josei7.com/
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