肩こり、疲れ目、更年期に 不調をリセットする10のツボと押し方【鍼灸師監修】
肩こり、疲れ目、頭痛、毎日積み重なる“小さな不調”には「ツボ押し」がおすすめ。専門家にそれぞれの不調に効果があるツボを教えていただいた。また、しわやたるみを解消する「美容鍼」のやり方もご紹介する。ぜひトライして欲しい。
上手なツボの押し方
「ツボ刺激は指圧が基本ですが、鍼やお灸の方がツボの奥深くまで刺激できて効果的。鍼の代わりに爪楊枝、お灸の代わりに温めたペットボトルを使うと、プロの技に近付けます。爪楊枝はチクッとする軽い刺激で充分。ツボの場所がわからなければ、爪楊枝の量を増やして広範囲に当てましょう。ペットボトルは、皮膚の薄い顔に当てる場合は熱くしすぎないように注意を」(鍼灸師・若林理沙さん・以下同)
★基本の指圧
「指圧は2~3秒かけてツボを垂直にゆっくり押し、2~3秒かけて指を離すことを繰り返します」
【OK】 爪を短く切り、指先をツボに垂直に押し当てると、深く刺激できる。親指や中指を使うと力が入れやすい。
【NG】指の腹を使って的確に押せるのは、他の人にやる場合。自分の体へは垂直に押しにくく、力を入れにくい。
★鍼代わりの爪楊枝
爪楊枝を7~20本輪ゴムで束ねる。本数が少ないほど、ピンポイントで刺激できる。
「爪楊枝は胃もたれや体が重いなど、体の過剰なものを取りたいときにも効果を発揮」
爪楊枝の先端でツボをトントンと3~4回押す。皮膚が薄ピンク色になる程度の強さで。
★お灸代わりのペットボトル温灸
ホット専用のペットボトルに70℃くらいのお湯を入れ、ツボに3~5秒当てることを3~5回繰り返す。
「ペットボトル温灸は、冷えからくる不調にも効きます」
頭頂部など平面はペットボトルの底や側面で、ポイントは角で刺激。
肩こりのツボ
東洋医学では長時間座って頭や目を酷使することで “気血”(きけつ)が滞り、肩がこると言われている。まず滞りが起きやすいツボ“風池”を刺激して経絡の流れをスムーズに。“肩井”は肩こりの代表的なツボ。押しながら腕を前後に動かすと刺激しやすい。
■肩井(けんせい)
首の根元と肩先をつないだラインの中央。自分で正確な位置を探すのは少し難しいので、肩こりのときに自然と手を当てるあたりを押せばOK。
■風池(ふうち)
頭蓋骨の後部の下、髪の生え際にある左右のくぼみ。親指をツボに当て、他の指で頭を支えると力を入れやすい。
疲れ目のツボ
目を酷使すると、ピント機能を調整する筋肉がこり、肩こりを伴うことも。目の周りのツボを温め、頭や肩のツボは爪楊枝で強めに刺激すると◎。
■攅竹(さんちく)
眉頭のすぐ下にある骨のくぼみ。骨に親指をひっかけてやや内側のくぼみを探し、骨を押し上げるように押す
■太陽(たいよう)
こめかみから目尻に中指をすべらせ、少しくぼんでいる部分。力を入れすぎず、やさしく押す。
■魚腰(ぎょよう)
眉毛が弧を描く中央あたりにある、小さな骨のくぼみ。中指でゆっくり押す。
頭痛のツボ
ズキズキする血管拡張性の頭痛に効くツボは、温めると痛みが増す恐れがあるので、指圧か爪楊枝で刺激する。刺激することで血液の流れが整えられ、痛みが緩和される。
■率谷(そっこく)
耳を内側に倒したとき、耳の先端の上にあるツボ。髪の生え際から親指幅1本半分上のあたりにあり、押すと痛みを感じる。
■百会(ひゃくえ)
頭頂部にあり、両耳の先端と鼻のラインを真上で結んだ交差点。押すと響くような刺激が。下へ貫くようなイメージで中指を当て、まっすぐに押す。
不眠のツボ
不眠の主な原因はストレス。病気の原因のひとつとされる邪気を散らし、自律神経を整える“身柱”をヘアブラシなどで叩いて刺激を。ストレスで肩がこる人も多いので、“肩井”は補助的に押して。
■肩井(けんせい)
首の根元と肩先をつないだラインの中央。自分で正確な位置を探すのは少し難しいので、肩こりのときに自然と手を当てるあたりを押せばOK。
■身柱(しんちゅう)
うつむいたとき、首の後ろに出る骨から数え、3つ下にある骨の下にあるくぼみ。わかりづらいので、周辺を広く刺激すればOK。
※うつむいたとき、首の後ろに出る骨から数え、3つ下にある骨の下にあるくぼみ。わかりづらいので、周辺を広く刺激すればOK。
鼻ずまりのツボ
風邪や花粉症などで鼻がつまる、鼻水が出るときに、押して痛いツボだけ刺激すればOK。“上星”は温めると即効性があり、“風池”は鼻の通りがよくなる。
■百会(ひゃくえ)
頭頂部にあり、両耳の先端と鼻のラインを真上で結んだ交差点。押すと響くような刺激が。下へ貫くようなイメージで中指を当て、まっすぐに押す。
■攅竹(さんちく)
眉頭のすぐ下にある骨のくぼみ。骨に親指をひっかけてやや内側のくぼみを探し、骨を押し上げるように押す。
■上星(じょうせい)
鼻の延長線上の前髪の生え際から親指幅1本分ほど上にあるツボ。中指を押し当て、ゆっくり刺激する。
風邪のひき始めに押したいツボ
寒気がする、頭がボーッとするなど、風邪の症状が出始めたら“大椎”だけでも早めに刺激を。温めるとより効果的。ペットボトルを使えば背中にも届きやすく、外出先でも手軽にできる。
■風池(ふうち)
頭蓋骨の後部の下、髪の生え際にある左右のくぼみ。親指をツボに当て、他の指で頭を支えると力を入れやすい。
■肩井(けんせい)
首の根元と肩先をつないだラインの中央。自分で正確な位置を探すのは少し難しいので、肩こりのときに自然と手を当てるあたりを押せばOK。
■大椎(だいつい)
頭を前方に倒した際、最も出っ張っている首の骨の真下にあるくぼみ。頸椎と胸椎の間にある。
更年期症状に押したいツボ
さまざまな症状がある更年期。足が冷えて頭がのぼせる人は“身柱”を刺激し、足元を温めると上下の巡りがスムーズに。イライラや不安には“百会”を押す。
■百会(ひゃくえ)
頭頂部にあり、両耳の先端と鼻のラインを真上で結んだ交差点。押すと響くような刺激が。下へ貫くようなイメージで中指を当て、まっすぐに押す。
■身柱(しんちゅう)
うつむいたとき、首の後ろに出る骨から数え、3つ下にある骨の下にあるくぼみ。わかりづらいので、周辺を広く刺激すればOK。
ビーズとテープで出来る美容鍼
美容鍼の効果を身近なグッズで再現し、しわやたるみを解消。
「ビーズでツボを刺激し、筋肉を横断するようにテープを貼ることで、緊張した筋肉が緩みリフトアップ。貼って寝ると、翌日まで効果が続きます」(若林さん)。
【作り方】
ストレッチタイプのテーピング用テープを縦1.5cm、横3cmに切り、中央に直径4mmほどのプラスチックビーズをのせる。
【貼り方】
テープを引っ張り、筋肉を横切るように貼る。ビーズは押し当てると響く場所に当てる。
【効果別 貼り場所】
●眉間のしわを取る
眉頭の真上の肌にビーズを当て、眉間のしわと直角に、しわを伸ばしながらテーピング。テープの長さは通常の半分でOK。
●たるみを引き上げる
歯を食いしばると盛り上がる“咬筋”(こうきん)の硬い部分にビーズを当て、縦に走る筋肉に対して直角にテーピング。歯ぎしりが酷い人にもおすすめ。
●口角を上げる
口角から下あごに縦につながる“口角下制筋”に対し、直角にテーピング。ビーズは口角の親指幅1本分下あたりに押し当てる。
教えてくれた人
若林理砂さん/鍼灸師
『アシル治療室』院長。食なども取り入れた養生法を提案。著書に『東洋医学式 女性のカラダとココロの「不調」を治す50の養生訓』(原書房)など。
撮影/玉井幹郎 イラスト/リバー・リー(Softdesign LLP)取材・文/西谷友里加
※女性セブン2021年11月25日号
https://josei7.com/
●体を温める大事な”ツボ”6選 大椎・関元・合谷・三陰交…読み方や効果を専門家解説