「スーパーマンのポーズ」「つま先立ち」でこり固まった筋肉をほぐそう!寝たきりを予防する簡単エクササイズをリハビリの専門家が指南
施設に入所している「寝たきりの人」は年々増加し、世界でも類を見ない多さだという。寝たきりの状態が続くと、筋肉が落ち、骨がもろくなるなど体がさらに不自由になる可能性が大きい。寝たきりを防ぐためには、ハードな運動より、1回1分程度でできる運動を毎日コツコツ続ける方が効果的だ。自宅でできるエクササイズを専門家に聞いた。
教えてくれた人
角田亘さん/医学博士
国際医療福祉大学医学部教授。著書に『リハビリの名医が教える 寝たきりにならない最高の方法』(エクスナレッジ)ほか。
上村理絵さん/理学療法士
リハビリ専門デイサービス「リタポンテ」取締役。近著に『こうして、人は老いていく 衰えていく体との上手なつきあい方』(アスコム)。
今日からできる!寝たきりを予防するエクササイズ
「朝起きてどうするかから、その違いが出てきます」
と国際医療福祉大学医学部教授の角田亘さんは言う。
「毎日定時に起きて寝て、食事もきっちりと3食摂り、体を動かす人は、活動的で筋力もあり、寝たきりになりにくい。なりやすい人はその逆の生活をしていると言えます。これまで定時で働いていた人が定年退職後、不規則な生活になり、外出をあまりしなくなった場合などは特に要注意です」(角田さん)
「寝たきりにならないためには、しなやかで動ける筋肉を鍛えることが重要」と言うのは、理学療法士の上村理絵さん。
「こり固まった筋肉をほぐすために、上記のエクササイズを日常生活に取り入れてほしいですね」(上村さん・以下同)
活動量を増やすために、手軽に行えるウオーキングもおすすめだ。
「ウオーキングは1日8000歩、週3回程度歩けるといいですね。その際、速度も意識すること。65才以上のかたには『5m歩行』が奨励されています。これは、5mを5秒以内で歩くというもの。一般的に信号が変わるまでに横断歩道を渡り切れる速度が5秒以内とされています」
歩く際は正しい姿勢を意識することも重要だ。
「猫背になると転倒しやすいので、背筋をまっすぐ伸ばして歩くこと。理想の立ち姿勢は、耳、肩、腰骨のあたり、ひざ、足首がまっすぐになることです」
歩き慣れていない人は週1~2回から始めよう。
<角田さんおすすめ>キッチンなどでも行える「つま先立ち」
【ステップ1】
足は少しだけ開き、ゆっくりとかかとを上げて、つま先立ちになり10秒キープ。転倒しないよう、テーブルなどを支えにして行おう。
【ステップ2】
1の状態からゆっくりとかかとを下ろす。1と2の動作を10回繰り返す。10回を1セットとし、1日2セット行おう。
<角田さんおすすめ>テレビを見ながら鍛える「椅子を使ったスクワット」
【ステップ1】
椅子に深く腰かけ、転倒しないようにテーブルなどに手を沿えて、椅子からすばやく立ち上がる。立ち上がるときは背中を丸めず、胸を張ること。
【ステップ2】
1の状態から椅子にゆっくりと腰かける。1と2の動作を10回繰り返す。これを1セットとし、1日2セット行う。
<上村さんおすすめ>ベッドや布団の上で行う「腰ひねり」
【ステップ1】
仰向けに寝て、ひざを立てる。
【ステップ2】
お腹に手を当てて、両ひざを左に倒して腰をひねる。このとき、肩と背骨が床から離れないように注意しよう。
【ステップ3】
両ひざを立てて1の姿勢に戻した状態で3つ数えてから、両ひざを右に倒して腰をひねる。1〜3の動作を10回繰り返す。10回を1セットとし、1日2〜3セット行う。
<上村さんおすすめ>寝起きにやるとスッキリ!スーパーマンのポーズ
うつぶせになり、手足を限界までグーッと伸ばした姿勢をキープし、10〜30数える。これを1日1〜2回行う。寝起きや寝る前に行うのもOK。
取材・文/廉屋友美乃 イラスト/早瀬あやき 写真/PIXTA
※女性セブン2024年12月5日号
https://josei7.com
●「寝たきりになる人・ならない人の」生活習慣5つのNG事例を専門家が解説