喜寿を過ぎても元気な女性4人のライフスタイルから学べること
日本の女性の平均寿命が87.26才(2018年厚生労働省発表)となった現在、年を重ねてなお、元気に輝く女性たちが増えている。オーバー喜寿の美と健康、パワーの源は?
その若々しさにびっくり! と各方面で話題の4人の女性たちが掲げる信条やライフスタイルに迫った。
話題作に次々と出演 女優・水野久美さん(82才)
現在、ドラマ『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系)に出演中の水野さん。
「現在の出演者の中で最年長ですが、共演の加賀まりこさん(75才)から、“あなたが一番元気よね”と言われるの」
そんな水野さんが健康のためにと毎日欠かさずとっているのが黒ごまペースト。
「30年以上食べています。トーストにたっぷり塗ったらオリーブオイルをかけ、野菜などをのせるのが定番です」
バナナ、りんご、牛乳をミキサーで混ぜたジュースと一緒に栄養補給すると1日元気でいられるという。
また、目を見張るのが美しい姿勢。
「時代劇に出ていたときに監督から“背筋を伸ばせ”と言われ続けていたから、今でも習慣になっているんです」
電車移動の際は階段を使う、タクシーよりも徒歩移動するなど、 華やいだ雰囲気をまといつつ、その健康法には気さくな人柄があふれている。
●水野さんの“元気の3か条”
・毎朝、欠かさない黒ごまトースト
・メイクはいつも自分でする
・背筋を伸ばして姿勢をキープ
YouTubeで話題 リバースシンガー・中田芳子さん(87才)
逆さ歌とは歌詞、メロディーを曲の最後から逆に歌い、それを録音したものを逆再生すると、おなじみの曲になるというもの。
「幼い頃から回文を作るのが大好きでしたが、50代のとき、テレビ番組のコンテストへの出演をきっかけに『逆さ歌』を考案しました。今も月1曲のペースで作っています」
レパートリーは100曲超。
「『アヴェ・マリア』や『アメイジング・グレイス』などのクラシックからDA PUMPの『U・S・A』といったヒット曲の逆さ歌も作ります。曲を決めるのは指導してくれている男性のパソコンの先生(35才)と。LINEで最近ではこんなアニメソングが人気だから、と相談したり」
歌詞だけでなく、メロディーも逆から作って楽譜に起こすため、ほぼ新曲を作曲しているのと同じようなもの。演奏は立ったまま。脳も体もフル回転で活動している。
●“芳子7か条”
・よっちゃんにも出来る!
・よっちゃんだって出来る!
・よっちゃんなら出来る!
・よっちゃんに出来ないワケが無い!
・よっちゃんだから出来る!
・よっちゃんしか出来ない!
世界から注目 駄菓子店店主・内山雅代さん(78才)
創業から238年。雨の日以外は朝10時から夕暮れまで店に立ち続け、60年以上、この店を切り盛りしてきた内山さん。
そんな内山さんの趣味はピアノ。駄菓子店の奥にはなんとアップライトピアノがある。
「長年商売をしていたら、いろんなことがありますよ。たまに嫌なことがあると、ピアノを弾いて気持ちを落ち着かせます。弾くのはいつもバッハの『プレリュード』。ピアノ教室に通ったわけじゃないから自己流だけど、弾くと精神が安定するんです。指を動かすから、認知症予防にもなっているのかもね」
また、家に風呂はあるが、銭湯に行って、疲れを癒すこともあるという。
「電車で、浅草付近の銭湯に行きます。お風呂も広いしリラックスできる。掃除しなくていいから、そっちのほうがいいのよね(笑い)」
●内山さんの“元気の5か条”
・駄菓子の会計は暗算が基本
・ピアノを弾いて精神を安定
・50年以上欠かさず家計簿をつけている
・銭湯の広い湯船で疲れを癒す
・肉より魚が好き。魚の缶詰も利用
シニア劇団で最年長座員 舞台女優・河内雅子さん(82才)
春の舞台では、恋する乙女「ふみか」を演じた河内さん。笑顔がとてもチャーミングで、デートのシーンでは足取り軽やか。表情も動きも、82才とは思えない。
「13年も続けると、昔より動きも記憶力も鈍ってきたなと感じます。監督のダメ出しも容赦ないですし(笑い)。もうやめようと何度思ったことか。でも、ここでやめて何をするの? …と思うと、もう少し頑張ろうと。その繰り返しです」
稽古は週2回、約1時間かけて通う。仲間とともに体を動かし、声を出し、想像力を働かせる刺激的な時間が、河内さんの笑顔の最大の秘訣だ。
「周りに迷惑をかけないためにも健康が第一。パワーのつく食事とたっぷりの睡眠を心がけながら、ずっと演劇を続けたいですね」
河内さんの“元気の5か条”
・大好きなお肉でパワーをつける
・料理は献立から考えて脳トレに
・適量のビールでリフレッシュ
・朝は早起きしてラジオ体操
・「数独」で脳にほどよい疲れを
撮影/阿部健太郎、玉井幹郎
※女性セブン2019年6月13日号
●YouTubeシニアインフルエンサーの素顔「動画配信のきっかけは父親を亡くした喪失感」