「お金はあくまで手段」と語る僧侶に学ぶ「貯金じまい」「家計簿じまい」で心豊かに暮らす考え方
『60歳を過ぎたら面倒ごとの9割は手放す』(アスコム)を上梓した、真言宗 密蔵院住職の名取芳彦さんは、家事や片づけをうまく手放すことで、自分の時間が増えていくと話す。60歳を過ぎたら、家事や片づけなど自分の時間を奪う習慣を減らし、より楽に楽しく生きるコツを教えてもらった。
教えてくれた人
真言宗 密蔵院住職・名取芳彦さん
なとり・ほうげん。大正大学米英文学科卒業後、英語教師を経て、東京都江戸川区鹿骨 元結不動密蔵院住職。真言宗豊山派布教研究所所長、豊山流大師講(ご詠歌)詠監。密蔵院でご詠歌・写仏・読経・法話の会などを主催し、仏教の教えをわかりやすく説く切り口が好評を博す。著書に『60歳を過ぎたら面倒ごとの9割は手放す』(アスコム)など。
家事が嫌だと思う理由を考えてみることから
嫌だと思うことをしなければならないのは心が乱されてしまうもの。家事が面倒で嫌だと感じる人に対して名取さんがすすめているのは、「私はどうして家事が嫌なのだろう」と考えることだ。自分ばかりやっているのが納得できない、家事のせいで自分の時間が取れないなど、何が嫌なのかに気づくことができれば対策をとることができる。
「自分ばかりやっているのが悔しいのなら、家族会議を開き、家事の分担について意見を出し合ってみるといいかもしれません。自分の時間が取れないなら、同時に二つのことをやったりして、効率性をアップさせる手もあります」
家事そのものが面倒なら、手を抜くのがおすすめ
そもそも家事が面倒なのであれば、「どこかで手を抜いてしまいましょう」と名取さん。隅をつつくような完璧さを求めるから面倒になっていくため、自分で「やって気持ちがいい」と思えるもの以外は手を抜いて、心の負担を軽くすることをすすめている。
「どんなことでも、やってみないとわからないことがあります。家事を手抜きしてみたら、百点を目指さなくても問題ないことがわかるでしょう」