再生数100万超の人気YouTuberライフさん(65才)「”服はワンピースだけ、夫婦一緒”をやめたら人生の迷いがなくなった」
定年退職、介護、体調などさまざまな変化が起こる60代だが、新たな挑戦に踏み出す人もいる。新しい道を見つけた人は、何を変えて、何を変えなかったのか。60才からYouTubeで動画発信を始めたライフさんに話を伺った。
教えてくれた人
ライフさん
1960年生まれ。60才からYouTubeチャンネル『60歳からの幸せライフ』https://www.youtube.com/channel/UC9GJQk3iLgCma_wEdqhc6IQをスタート。物や人間関係の手放し方を発信し、最高で100万再生超えを記録した。2024年『64歳、やめて捨てたら手に入った、幸せな暮らし』を出版。娘と息子は独立し、夫と2人暮らし。Instagram「@happy_senior1960」@happy_senior1960
絶望から脱出したきっかけは娘からの提案
60才でYouTubeを始めたライフさん。自宅の整理整頓や片付けを紹介した動画が話題となっている。
「きっかけは、娘から『暇そうだからやってみたら?』と言われたこと。60才直前の私は『もう女性として終わりだ』と勝手に絶望し、気力がなくなっていました。私のあまりの老け込みぶりに、娘が心配したのです」(ライフさん・以下同)
そこから気持ちを切り替え、あえてタイトルに「60才」を冠して見よう見まねで動画制作を始めたという。
「子供たちが独立し、すっきりした家に住みたいと思っていたので、不要なものを捨て、片付けていく動画にしようと思いました。どうせ誰も見ていないし、好きにやっちゃえという感じです(笑い)。
片付けをするのは『親が遺したものの整理に困っている』という同世代の話をたくさん聞いたので、まずは自分が子供たちに同じ思いをさせたくないという気持ちもありました」
家が片付くことで、心理的な変化もあった。
「精神的にもかなりすっきりしましたね。それに、動画を作るには自分の思いをどう伝えるかを考える必要があります。この作業でかなり頭の中が整理されている気がします」
YouTubeを始めて装いも変わった。
「ワンピースを着ると気持ちが華やぐし、何より着心地が楽だから、毎日ほぼワンピースになりました。
以前は服を買いに行くと『これに合わせてトップスも』と時間もお金もかかっていましたが、ワンピース一択なので悩んだり迷ったりがなくなり、行動も考え方もシンプルになったと思います」
夫婦生活にも変化が「昼・夜の食事以外はお互い自由に過ごす」
夫の定年退職を機に、夫婦の暮らしも「棚卸し」したという。
「夫は夜型、私は朝型なのですが、無理に合わせるのをやめ、昼と夜の食事以外はお互いの時間帯で自由に過ごすようになりました。
きっかけは、夫が職場で受けた定年社員向けの講義。『夫が退職すると、妻が夫源病(ふげんびょう/※1)になりやすい』という内容で、仕事人間だった夫は『自分が妻の病気のもとになったら大変だ』と怖くなったそうです(笑い)。それで、『夕食の片付けと風呂掃除をやってほしい』、『自分の時間はほしい』ということを伝えることができました」
心地よい空間で好きな動画撮影に打ち込めるいま、自身の変化をこう語る。
「気がついたら年齢も気にならないし、たまに不安がよぎっても『考えても仕方ない』とスルーできるようになりました。今後は、細かい字が見える限り、動画を頑張りたいですね(笑い)」
動画の構想は次々に湧いているというライフさん。「好き」を見つけることが、楽しい老後の始まりかもしれない。
※1:夫の言動で妻がストレスを感じ、不調をきたす状態のこと。
私が整理したモノ・コト
●子供たちに迷惑をかけないよう家中の不要品を処分
●「夫婦一緒」をやめた
取材・文/佐藤有栄 写真提供/ライフさん
※女性セブン2025年10月30日号
https://josei7.com
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