足のむくみ「患者の9割に”抜け道血管”」足湯や着圧ソックスは逆効果【医師解説】
コロナ禍で家にいる時間が多くなったいま、気になるのが足のむくみ。足をマッサージしてみるものの、ちっともよくならないとお嘆きのあなた。それはもしかしたら、別に原因があるのかも知れない…。専門家がむくみを訴える何万人かの患者さんを調べた結果、あることが分かった。一体それは何なのか見ていこう。
むくみのある患者の約9割に「抜け道血管」
「むくみとは、静脈やリンパの流れが停滞し、余分な水分や老廃物がうまく排出されず、皮下にとどまっている状態」と、サトウ血管外科クリニック院長の佐藤達朗さんは言う。
「これは運動不足や、塩分の多い食事の摂りすぎなどの生活習慣によって起こります。ただ、これらの習慣を見直しても改善されないことがある。そこでむくみを訴える何万人かの患者さんの血管エコー検査を行い調べたところ、約9割の人の足の甲に『抜け道血管』ができていたのです」(佐藤さん・以下同)
抜け道血管とは、足の甲で動脈とアーチ状静脈をつないでいる血管のことだ。
足の甲にある動脈とアーチ状静脈をつないでいる抜け道血管は、ふだんは閉じているが、環境や体の変化が起きるとそれに反応して開く。
「この血管は、ふだんは機能しておらず、閉じた状態なのですが、なんらかの外的刺激により開くと、一気に動脈から静脈に血液が流れ込む。すると、血流の圧に耐えられずに静脈は膨れ上がり、こぶのような塊(かたまり)ができ、静脈圧が上がるとリンパ液が染み出て足がむくんでしまうのです」