猫が母になつきません 第262話「うめしごと」ー実写入り特別編ー
2021 終わりました、梅仕事。今年は去年よりずっと大変でした。梅が大大大豊作で、仕込んでも仕込んでも次から次に母が梅を収穫してきて、最初に6個の保存瓶に仕込んだのなんて後から思えば序章にすぎず、すべての瓶を使ってしまった後は去年と同じくフリーザバッグを使ってどんどん仕込み、最終的には何袋しこんだのか数えるのもやめてしまいました。袋には仕込んだ日付を書いて、毎日くるくる回す。発酵してしまったものは熱処理したあと冷蔵庫にいれたほうがいいのですが、とても入りきらないので発砲スチロールの箱に大きめの保冷剤を何個か入れて溶けたら交換。毎日毎日、梅の面倒をみるのに大忙し、収穫開始から完成まで1ヶ月半の長い闘いでした。うちでは高いところに生っている梅はなかなか採れないので、落ちた実を収穫するのがメイン。なので傷ついているものが多く、梅干しには向かないし、シロップにしても発酵しやすい。でも原因や解決法を知っていれば、「はい、はい」って感じで淡々と対処していく感じで…ん?何かに似ていますね、この感じ(苦笑)。去年は母があちこちに配ってまわり、あっという間に梅シロップもジャムも無くなってしまいましたが、今年はなかなか減りません。そこで今年は全国の知人友人にご笑味いただくべくお送りすることに。最近はみなよく《届いたよメール》を写真で送ってくれるので、手塩にかけたわが子がよそのお宅のテーブルやキッチンに鎮座している姿を見るのも楽しいです。
【特別:実写編】
nurarinさん特製の梅シロップ、ジャム、マーマレード!!。このたび、編集部に送ってくださいましたので、特別公開します。是非、写真で実物をご覧ください!
・梅シロップ 今年は収穫期が長かったので、青梅と完熟の梅では色も風味も違う梅シロップができました。蜂蜜入りも作りました。(nurarinさん、以下同)
・梅ジャム 今年は贅沢に完熟梅だけを使い、一個一個皮を剥き、皮についた実は包丁の背でこそげとり、裏ごししたものをジャムに。去年のジャムとは全く違うものになりました。
・マーマレード 母が好きな柑橘の河内晩柑の皮を使って作りました。去年漬けた梅酒の実を取り出して作った梅のピューレを入れて酸味とコクを足すとキリッと大人の味に。しかし梅が入っているとは気がつきません。
【関連の回】
第205話_「しんりゃくされる」
第206話_「うめしごと-その1-」
第207話_「うめしごと-その2-」
第208話_「うめしごと-その3-」
第255話_「はじまる」
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。
撮影/玉井幹郎