疲労回復、快眠、美肌…目的別・入浴テクニック5選|お風呂の専門家が指南
睡眠不足や疲労、やる気が出ない、肌の悩みに…症状別・入浴法を、お風呂の専門家・小林麻利子さんが伝授。ちょっとしたワンポイントテクなので覚えておくと、毎日の入浴がさらに充実すること間違いなしだ。
1.【睡眠不足・疲労回復】アロマの香りで眠りの質アップ
「リラックス効果の高い“香り”の作用を取り入れましょう。イチ押しは、ラベンダーの精油。精油に含まれるリナロールという成分が交感神経を鎮静化し、眠りの質を上げてくれます。ヒノキやヒバなどの木の香りも睡眠には効果があるので、ラベンダーにヒノキやオレンジ、ローズのオイルを組み合わせた優しい香りもおすすめです。いまなら、抗菌作用のあるティーツリーを加えてもいいでしょう」
湯を張った洗面器などに数滴垂らし、深く吸い込む。
「お風呂のフタに直接垂らしてもOK。直接、湯船に入れたり、皮膚につけるのはNG」。
2.【全身の乾燥】ボディーオイルでコーティング
「皮膚の保湿機能が低下し、“お湯につかるほど乾燥する”という人は、まず全身を洗い、ボディーオイルを塗ったまま入浴すれば、油が水をはじいて乾燥を防げます。私は入浴中に首筋に塗ってリンパマッサージをしていますが、滑りがよくなってマッサージ効果が上がります。お風呂上がりは軽く体を拭いて、そのままパジャマを着るだけでOK。ただ、浴槽がぬめりやすくなるので、掃除はきちんとしてください」
「べたつきがイヤ」という人は、ひじやひざなど、かさつきが気になる部分にだけボディーオイルを塗って入浴する方法もある。足の裏に塗るのは危険なので避けよう。
3.【マスクによる肌荒れ】湯船でフェイスパック
「湯船につかっている10~15分を利用して、フェイスパックをしてみましょう。湿度が高く、お肌も温まった状態なので効率的に保湿ができます。お風呂上がりのケアの時短にもなりますよ。パックは市販の手頃なもので充分ですが、パック時間が10~15分以上のものを選ぶこと。それより短い時間のものは、乾燥しやすいので注意を。お風呂で行う泡パックでも、もちろんいいと思います」
市販のフェイスパックをして、湯船でリラックス。香りや効能別に数種をそろえるのも◎。風呂上がりは化粧水をつけ、通常のスキンケアを。
4.【やる気アップ】42℃の朝シャワーでシャキッと
「テレワークが続いて、オンとオフのメリハリがつかないときは、42℃の熱いシャワーで交感神経を刺激しましょう。シャワーはいちばん高い位置に固定して、はじめは首筋にかけて温め、その後は交感神経が分岐する背中を中心に、滝行のようなイメージで湯を当てます」
湯船につかる場合、
「大胆ですが、生のグレープフルーツを輪切りにしてお風呂のフタなどに置き、香りを楽しむのもいいですよ。交感神経を刺激するグレープフルーツの香りはダイエット効果も」。
5.【ダイエット】水圧を利用してお風呂ヨガ
水中では、浮力作用で体重が10分の1程度になるため、運動に最適だ。
「バスタイムの前半は、その浮力を利用した省エネルギーのお風呂ヨガがいいですね。後半は、3分間の入浴と30℃程度のシャワーを手足にかける『温冷交代浴』で血流をアップさせ、脂肪を燃焼しやすい体作りを目指しましょう。冷水シャワーは心臓への負担が大きいので、『少し冷たいかな?』という30℃程度が最適です。これを3セット繰り返し、最後の1分は思い切り脱力しながらお湯につかりましょう。その間は、くれぐれも呼吸を止めないように。これで、お風呂上がりはスッキリ! 爽快な気分になりますよ」
【1】浴槽に座り、1分間リラックス。
【2】右手を浴槽の床につきながら頭(こめかみより少し上)を浴槽のふちに預け、お尻を浮かさないように左手を上げて右方向に伸ばす。
【3】【2】の状態から体をななめ後ろにひねり、ゆっくりと呼吸しながら1分間リラックス。反対側も同様に行う。
【4】体の後ろに手をつき、お尻を浮かせて座る。
【5】お尻を浮かせたまま両ひざを右に倒し、顔は左を向いて1分キープ。左のウエストあたりが伸びているのを意識する。反対側も同様に行う。
教えてくれた人
小林麻利子さん/眠りとお風呂の専門家
「美は自律神経を整えることから」をテーマに、心身ともに健やかでいるための睡眠・入浴メソッドをテレビや雑誌、講演などで発信。近著に『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)がある。取材・文/佐藤有栄 イラスト/後藤知江
※女性セブン2021年2月11日号
https://josei7.com/