長生きする”血液”をつくる3つのルール|筋トレ、質のいい睡眠、あと1つは?
血液検査をすれば、糖尿病から腎臓の異変、がんの兆候まで、さまざまな情報を得ることができる。さらに、血液はそれ自体が、ウイルスや菌から体を守る免疫機能を備えている。長生きするためには、血液の質を落としてはいけない…。その具体的な対策を、専門医に聞いた。
長生きする血液をつくる3つのルール
“長生きする血液”をつくるには、血糖値とコレステロール、中性脂肪などの血中脂質を増やさないことも大切だ。
それには、体重が1つの目安になる。秋津医院院長で総合内科医の秋津壽男さんが解説する。
「肥満指数を表すBMIは、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算します。女性の場合、BMIが18.5以下はやせすぎ、25以上は太りすぎです。標準体重のBMIは22で、最も健康的だといわれるのは、“標準体重よりややぽっちゃりくらい”。
1.毎日体重計にのるべし!BMI値は22~24以下
健康な血液が流れるようにするには、BMI 22~24くらいをキープするのがいいでしょう。太りすぎもやせすぎもよくありません」
ナビタスクリニックの久住英二さんは、血糖値と血中脂質、そして体重を増やさないための3か条を提唱する。
「毎日体重計にのる」「ウエストがゴムのものははかない」「できない言い訳をしない」ことだ。
「日々体重を意識して、お腹まわりの変化がわかりづらいゴムの衣類は避けること。よく“食べていないのに太る”という人がいますが、年とともに代謝が落ちるので、若い頃を基準にして食べていれば当然太りますし、血糖値も血中脂質も上がります。
カロリーを抑えて、体重が増えなくなるまで食事量を減らして運動を心がけてください。“忙しいから”“疲れているから”と言い訳をする人がいますが、そういう人は結局、いつまでも行動しません」(久住さん・以下同)
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2.筋トレや有酸素運動で血中脂質を減らす
長生きする血液をつくるためには運動も必要だ。久住さんは「筋トレと有酸素運動」をすすめる。
いずれも肥満予防に役立つのはもちろんのこと、血中の糖分の一部は筋肉に取り込まれるため、筋肉量が増えれば血糖値が上がりにくくなる。
また、有酸素運動は脂肪の燃焼を助け、血中脂質を減らすことにつながる。
「有酸素運動はランニングなどの軽いもの、筋トレは腕立て伏せや腹筋、スクワットなど、簡単なものでかまいません。ただし、長く続けることが大切。三日坊主の人や運動が嫌いな人は、会費制のジムに入会するなど、“運動しなければいけない環境”を自分で整えて」
とはいえ、新型コロナウイルスの再流行で、ジムに行くのがはばかられるという人も多い。久住さんは、トレーニング方法を紹介しているテレビ番組や動画サイトを利用して、自宅で筋トレすることもすすめている。
「NHKのテレビ番組『みんなで筋肉体操』は、1回の腕立て伏せでも難しい場合に、どうすればできるようになるか、コツを丁寧に教えてくれています。“1日○回やるだけでいい” “昨日1時間やったから、しばらく休もう”というのは間違い。運動は、やればやるほど効果が出るもの。なまけずに続けてください」
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3.質のいい睡眠でコレステロール値を上げない
血糖値やコレステロール値を上げないためには、質のいい睡眠をとることも忘れてはいけない。
「“最も死亡率が低い”というデータがあることから、一般的には7時間睡眠が健康にいいとされています。しかし、睡眠時間には個人差があり、生まれつき4時間睡眠でも充分な人や、毎日9時間眠らないと満足できない人もいる。一度、目覚ましをかけずに眠ってみてください。自然と目が覚めるまでの時間が、自分に合った睡眠時間です」
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「そうはいっても、家事や仕事が忙しくてなかなか睡眠時間を確保できない」という人も多いだろう。久住さんは、「家事は適度にサボって、休む時間を優先的につくってほしい」と話す。
「自分の健康のためには、家族にも協力してもらって、手抜きをすることも大切です。女性は閉経を機に体が変わり始めるので、その少し手前の45才くらいから、運動や睡眠の時間を充分に確保し、対策を始めておくのが理想です。50才を迎える頃には、食生活や運動を含めた健康的な生活リズムが出来上がっているのが望ましい」
「頑張って運動や食事制限する」のではなく「運動や節制が当たり前になる」ようにできれば、“長生きできる血液”はあなたのものになる。
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教えてくれた人
秋津壽男さん/秋津医院院長で総合内科医、久住英二さん/ナビタスクリニック
※女性セブン2020年12月17日号
https://josei7.com/
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