血管を強くする効果劇的に高める「水煮缶」ちょい足し術
さばの魅力を広める「全日本さば連合会」に所属する“サバジェンヌ”で、薬膳アテンダントの池田陽子さんは、5年前からさばの水煮缶を食べ始めたところ、体に劇的な変化が訪れたという。
「水煮缶なら汁ごと料理に使えると思い、軽い気持ちで買い始めたのですが、食べ続けてみて驚きました。ずっと気になっていたシミやそばかすが薄くなり、目の下のクマが消えたんです。3か月で5kgもやせ、ダイエット効果も抜群でした」
さまざまな料理に水煮缶を”ちょい足し”がおすすめ
水煮缶はさまざまな料理に“ちょい足し”して摂取することをおすすめしたい。
「サラダにも合わせられるし、コンビニで買ったスープに汁ごと入れることもあります。うまみと栄養分たっぷりの汁を生かすなら、雑炊やスープがいいですね。さばの水煮缶は味が付いていないので、トマトと一緒に煮てミートソースを作ったり、オムレツの具にしたりと、実は和洋中、どんな料理にも合うんです。
ツナのオイル缶よりもバリエーションは多いと思います。ひき肉でできることはたいてい、魚の水煮缶でもできます。こちらの方が健康的なので、ぜひ試してほしい」(池田さん)
血行促進作用のある食材を足して効果を倍増
さばの水煮缶の場合、同じ血行促進作用のある食材を足すことで、その効果が何倍にも増幅されるという。
「玉ねぎ、にら、パプリカ、ピーマン、黒きくらげ、らっきょう、カレー粉などが同じ働きを持ちます。カレーやお鍋にすると、手間いらずで簡単です」(池田さん)
また、女子栄養大学栄養クリニック所長の田中明教授によれば、さばや鮭の水煮缶は、食物繊維を多く含む食材と組み合わせるとより効果的だという。
「食物繊維は血糖値の上昇とコレステロールの吸収を抑えるうえ、腸内環境を整え、便秘を解消するので美肌効果も期待できる。さばや鮭と相性がいいのです。ごぼうやきのこ類、海藻、玉ねぎなどを混ぜるだけで、簡単にその効能を高めることができます」
トマト缶については、グルタミン酸と呼ばれるうまみ成分が豊富に含まれているので、煮込み料理のだしとしても使える。
「また、トマトの酸味は肉や魚の臭みを消して料理の味を引き立てる効果もあるので、さばや鮭の水煮缶と組み合わせるのもいいです。トマトのリコピンと鮭のアスタキサンチンの相乗作用で、美肌や老化防止効果が格段にアップします」(田中教授)
大豆の水煮缶は、米、海藻との組み合わせが◎
一方、大豆の水煮缶は、米と一緒に食べるのがいいそうだ。
「日本人が肉や魚をあまり食べなかった時代にも健康な体を維持できたのは、大豆と米を一緒に摂取してきたからです。大豆にはたんぱく質のもととなる9種類の必須アミノ酸のうち、リジンを多く含みますが、他のアミノ酸は少ない。一方、米はリジンが少なく、他のアミノ酸は豊富。ご飯と一緒に食べることで、欠けている必須アミノ酸を補い合うことができるのです。
また、わかめや昆布といった海藻と組み合わせるのもおすすめです。海藻にはヨウ素が多く含まれているのですが、摂取しすぎると甲状腺障害を引き起こします。大豆には、そのヨウ素の吸収を抑制する効果があります」(田中教授)
血管から肌まで、全身に至れり尽くせりの健康効果を持つ水煮缶だが、最も重要なことは、この一缶が、「現代人の味覚を正常に戻す」役割を持っていることだ。田中教授が語る。
「今の時代、どこの飲食店に入っても、何を買っても、味付けが濃いでしょう。塩分も非常に強い。常日頃こうした食材に触れている現代人は、健康を害しているだけでなく、味覚が麻痺してきている。いわば、食材本来のうまみを感じることができなくなっているのです。
これを打開するためには、薄味のものを食べ続けるほかない。その点を鑑みると、水煮缶は、現代人の味覚を正常に戻すために最も適切な食材だといえるのです。低塩分で低カロリー、そして薄味。日本人の食生活をまっとうなものに戻すきっかけが、缶の中に詰まっているのです」
※女性セブン2017年12月21日号
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