脂肪が燃えるウオーキング3つの条件|1日20分以上、週3以上、あと1つは?
コロナ禍の自粛生活による運動不足でウオーキングを始めたという人も多いのではないだろうか?しかし、いくら歩いてもその歩き方では健康効果ががないかも!? 脂肪燃焼や筋トレに効果的なウオーキングの条件とは…。や専門医が正しい健康法について指南。
脂肪を燃えやすくするウオーキング3つの条件とは
加齢によって筋力が落ちていくのを防ぐため、ウオーキングが推奨されている。しかし、「ただひたすら歩く」だけで高い脂肪燃焼や体力アップ効果を期待するのは間違いだ。
「よく“ゆるい運動でも、長時間行えば効果が得られる”などといわれますが、これは効率のいいダイエットや筋トレとはいえません。
実は、科学的には、その人の持つ最大体力の60%以上、すなわち『ややきつい』と感じる強度の運動を1日20分以上、週3日以上することが推奨されています」(能勢さん・以下同)
普通のウオーキングで使う体力は40%程度。つまり、のんびりダラダラ歩いているだけでは、いくら続けても筋力は上がらないし、脂肪燃焼効果もあまり期待できない。激しい運動をした後、しばらく体がポカポカすることがあるが、実はこの時間こそ、脂肪が燃えているのだ。
「運動後に体がほてるのは、EPOC(運動後過剰酸素消費)と呼ばれる状態で、30~60分ほど続いて脂肪を燃やす。筋肉質の人は冬場でも比較的薄着で過ごすことが多いように、強い運動で筋力がつくと安静時(睡眠時)に脂肪が燃えやすくなって熱を産出できるようになるのです」
■脂肪燃焼効果が期待できるウオーキングは…
1.ややきついと感じる強度の運動
2.1日20分以上
3.週3日以上
おすすめは「インターバル速歩」
おすすめなのは、能勢さんが提唱する「インターバル速歩」。普通のウオーキングと早歩きとを3分ずつ交互に歩く運動法だ。
「まず、25m先を見据えるイメージで、背筋を伸ばします。できるだけ大股で踏み出し、かかとから着地する。腕は直角に曲げて前後に大きく振り、体の軸がブレないよう気をつけましょう。1日5セットで合計30分、週4回以上続けると、5か月後には、体重は最大3kgダウン、体力は最大20%アップして、体力年齢は10才若返ります」
ゆるいウオーキングであっても、かかとに衝撃を与えることで、骨の形成を促進する効果はある。しかし、どうせなら歩くスピードを上げて、筋トレ効果やダイエット効果も同時に手に入れてみてはいかがだろう。
→1日1万歩より健康効果が高い1日30分の「インターバル速歩」とは?動脈硬化、糖尿病、認知症も予防
マシンに頼るよりも地道な運動が◎
インターバル速歩でも、体力アップには5か月は継続する必要がある。「そんなに待てない」という人が飛びつきたくなるのが「つけるだけで筋トレになる」というふれ込みのEMSマシンだ。筋肉に電気的な刺激を与え、強制的に収縮させることで運動効果を得ようというものだが、効果はいかに。
「EMSは、もともと医療用に開発されたもの。たとえば、神経が切断されて下肢が動かない人などの筋力を維持するためのリハビリに用いられます。健康体の人が使っても、実際に運動するほどの効果は得られないうえ、筋肉や神経、関節などの総合的な動きを無視して直接刺激を与えることになり、筋肉だけがいびつに発達する恐れがある」
ただ歩くだけでも、少なからず全身の筋肉を使うことはできる。横着せずに体を動かそう。
教えてくれた人
能勢博さん/医学博士。信州大学・医学部特任教授
※女性セブン2020年12月3日号
https://josei7.com/