すぐ借りられる個人向け融資・貸付3選|介護中の人は貸付額が10万増えることも
長引くコロナ渦で家計が苦しい…。そんなときに役立つ個人向けの貸付や融資制度について、ファイナンシャルプランナーの大堀貴子さんが解説。コロナで貸付額が拡大された制度もあり、借りやすくなったものも。コロナショックで職を失った人の悲痛な声やアンケート調査と共に紹介する。
コロナで変わった融資・貸付3選をざっくり解説
コロナ対策として、生活資金に困ったときに個人が使える融資や貸付制度を3つ厳選。まずは、ざっくり概要を解説し、続いて細かい制度の内容を紹介していく。
1.「緊急小口融資」
急を要するとき。10万~介護中など条件により最大20万円の貸付。申請から最短5日。社会福祉協議会が窓口。4月末から労働金庫でも手続き可能に。
2.「総合支援資金」
最大で月20万円を3か月(60万円)の貸付、申請から最短20日。社会福祉協議会が窓口。新型コロナ対策により、貸付利子と保証人が不要に。
3.「母子父子寡婦福祉資金貸付金」
ひとり親世帯向けに、月額10万5000円を無利子、連帯保証人不要で貸付。市区町村の自治体の福祉担当が窓口。新型コロナにより償還金の支払い猶予期間が設けられている。
生活費に使える融資・貸付3選を詳しく解説
融資・貸付制度には、さまざまな種類があるが、大事なのは、自分の条件にあった制度、条件の制度を選ぶこと。
1.緊急小口融資…10万円、介護中なら20万円
対象者/新型コロナの影響で、休業により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯。
内容/上限10万円または20万円を無利子で貸し付け(連帯保証人不要)、据置期間1年として、1年以内に返済を開始し、分割なら2年以内に返済する必要がある。
返済時点で引き続き所得が減少しており、住民税非課税世帯に該当する場合は返済が免除される。申請から最短5日と振り込みまでの期間が短い。
貸付上限は通常10万円だが、上限20万円まで貸付を受けるには、以下のいずれかの条件を満たすことが必要。
・世帯に新型コロナ感染者がいるとき
・世帯に要介護者がいる
・4人以上の世帯
・世帯に新型コロナ感染症の影響で小学校の休業など小学校等に通う子どもの世話を行うことが必要になった労働者がいるとき
・世帯に個人事業主がおり、収入減少により生活費が不足したとき
・上記以外の理由で収入の減少により生活費が必要なとき
申請先/市区町村社会福祉協議会、労働金庫
問い合わせ/個人向け緊急小口・総合支援資金相談センター
0120-46-1999(土日祝含む9:00~21:00)
2.総合支援資金…最大月20万円を3か月
対象者/新型コロナの影響で収入の減少や失業等で生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯
内容/月20万円(単身世帯は月15万円)を上限に3か月間以内の貸付。据え置間は1年とし、1年以内に返済を開始し、分割返済なら最長10年で返済。
新型コロナにより条件が緩和され、無利子・連帯保証人不要で貸付。
返済時点で引き続き所得が減少しており、住民税非課税世帯に該当する場合は返済が免除される。
申請先/市区町村社会福祉協議会
問い合わせ/個人向け緊急小口・総合支援資金相談センター
0120-46-1999(土日祝含む9:00~21:00)
参考/厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の影響により生活資金でお悩みの皆さまへ」パンフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/000626608.pdf
緊急小口資金特例貸付借入申込書
https://www.mhlw.go.jp/content/000627403.pdf
3.ひとり親家庭は…月10万5000円の母子父子寡婦福祉資金貸付金
対象者/未成年者を扶養する配偶者がいない男女
内容/資金用途により、貸付金額や返済期間が異なる。例えば、母子家庭または父子家庭となり7年以内で生活資金を借りる場合、月額105,000円、貸付期間6か月間、返済期間は8年となる。
子どもに対する資金用途であれば連帯保証人不要で無利子で借りられる。なお、それ以外の用途の場合、連帯保証人を立てれば無利子、立てないと年1%の利子がつく。
申請先/各自治体の福祉担当窓口
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このように、従来からあった融資・貸付制度が、新型コロナにより借入期間が延長されたり、利子や保証人など条件が緩和されたりしている。
まず、生活や支払いに窮している場合は、給付金制度や各種支払い免除・猶予制度などの活用を。それでも資金が回らないときは、融資・貸付制度を検討してみるといいだろう。