《132万円相当が眠っている!?》相続トラブルになる前に知っておきたい「親の隠れ資産」、洋酒や切手、カードが高く売れる場合も
資産と聞くと、預貯金や株式、不動産を思い浮かべる人が多いだろうが、資産整理の際にぜひ意識しておきたいのが「隠れ資産」。想定より高い価値を持っている場合もあり、きちんと把握できていないと相続時にトラブルとなることも。そこで、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、隠れ資産を把握しておくことのメリットと、見落としやすい隠れ資産について教えてもらった。
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国民一人当たり平均約53.2万円にもなる隠れ資産
隠れ資産とは、これまで十分に活用されていなかったり、価値を十分に認識されていなかったりした資産を指します。若いころに購入したものの、長く使っていないブランドバッグや貴金属、子どもの頃に集めたトレーディングカードなどが隠れ資産にあたります。
「メルカリ」の調査によれば、2023年時点で、隠れ資産は国民一人当たり平均約53.2万円分もあるとされ、50代~60代の夫婦2人世帯であれば、約132万円にものぼるそうです(https://about.mercari.com/press/news/articles/20231115_kakureshisan/)。
相続でもめないためにも資産の把握は大切
ブランドバッグなどは、金融資産などと異なり一覧化しづらいものでもあるため、相続時に見落としてしまいやすい資産です。しかし、物によっては数十万円や百万円以上の値がつくこともあり、後になってこれらが判明すると相続トラブルの種になることもあります。
隠れ資産が老後資産の足しになる場合も
隠れ資産を売却すれば老後資産の足しにすることもできるので、親が元気なうちに隠れ資産の整理を提案してみるのもいいでしょう。
例えば、シャネルのバッグで人気の「マトラッセ」は、30年前は約15万円で売られていました。現在では100万円を超える価格になっています。もし、そのようなブランドバックがあれば、買った当時の価格より高く買い取ってもらえることもありますし、同じく30年前に購入した喜平のネックレスがあれば、金価格の高騰により買取り価格も高額になるでしょう。他のブランドものなどでも、定価ほどの値が付かずとも、使わずにしまっておくよりはいいですよね。
年を取れば取るほど、隠れ資産を洗い出して売却するのは体力的にも精神的にも困難になってくるため、元気なうちに整理を兼ねて行うのがおすすめです。
最も多い隠れ資産は「服飾雑貨」
メルカリの調査によると、隠れ資産が多いのが「服飾雑貨」で、全体の38.9%を占めます。バッグやコート、宝石や宝飾品などの貴金属、時計など、長い間使っていない物がクローゼットの奥に眠っていないか確認してみましょう。買った時の箱やケースも残っている場合は、より高く買い取ってもらえる可能性も。
眠っている絵画や骨とう品、着物なども隠れ資産
代々住み続けているような家の場合は、絵画や骨とう品、着物、金やプラチナのコインなどが眠っていることもあります。所有者本人が不要だと感じている場合は売却を検討してみてもいいでしょう。
洋酒や切手、カードなどのコレクター商品も高く売れる場合がある
洋酒、切手、記念コイン、トレーディングカードといったコレクター商品も、買った当時より高く売れる場合があります。映画のフライヤーや初版・絶版本、人形やフィギュアなど、意外な物が高い価格で取引されていることがありますので、宝探しのような感覚で隠れ資産を探してみると、家の整理と資産整理を同時に行うことができますよ。
売る際は、すべてを同一業者にお願いしてしまうと適正な値付けがされない可能性があります。例えば、一眼レフカメラとレンズなら、買い取りも行っているカメラ専門店へ持ち込むなど、そのアイテムが得意な買い取り業者に依頼するとよいでしょう。
ブランドものやアクセサリーなら、クリスマスやホワイトデー前など需要が高まる時期に買い取り査定アップなどのキャンペーンが行われることが多いです。少し手間ですが、より高く売るためには、そういったタイミングを狙うのも一案です。
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