野菜の栄養をアップする裏技12|きゅうりは酢と、トマトは卵炒めが最高のコンビ
きゅうりは、90%以上が水分で、夏の渇きを潤すのに適した野菜。カリウムが豊富で余分な塩分と水分の排出に役立つ。シトルリンというアミノ酸に新陳代謝促進、疲労回復効果も。 体を冷やす効果が高いので、お腹の冷えが気になるときは、温性食材との組み合わせが◎。
★選び方ポイント
・ハリがあり、ズシリと重い
・太さが均一で両端までしっかりしまっている
・イボがピンと張って触ると痛い
・緑色が鮮やか
★効果を高める食べ方
生で食べる場合は、アスコルビナーゼという酵素がビタミンCの吸収を阻害しないよう、酢と合わせて摂ること。
5.トマト…油で加熱し体を冷やさない
夏野菜の代表といえるトマトの健康効果といえばリコピンが有名だが、その抗酸化力はβ-カロテンの2倍、ビタミンEの100倍といわれている。紫外線対策にも有効。 渇きをいやし、血の熱を取り、巡りを促す。消化を助ける作用もある。
★選び方ポイント
・へたが緑色でハリがあり、みずみずしい
・色むらがなく、ハリとツヤがある
・硬くしまって丸みがある (下)
・お尻がとんがり、実に筋が入っている
★効果を高める食べ方
トマトのβ-カロテンは油と一緒に摂ると吸収率が高まるので、イタリアンのトマトソースは〇。抗酸化作用のリコピンは加熱に強いので、栄養効果は損なわない。また、暑くなりきらないいまの季節は、寒性のトマトを生でたくさん食べると体を冷やしすぎるため、油と加熱して温め効果をプラス。
★栄養UPレシピ
「卵は五臓のすべてに影響を与える万能食材で、不足している血を補ってくれる。トマトとは体のバランスを整える、最高のコンビです」。
●トマトと卵の炒めもの
<作り方>
【1】卵2個をボウルに溶き、塩を少々混ぜ合わせておく。
【2】フルーツトマト3個は8等分のくし切りにする。
【3】鍋を熱し、多めのエクストラバージンオリーブオイルを入れる。【1】を一気に入れ、大きく4~5回混ぜ、半熟のふわふわ状態で取り出す。
【4】再び鍋を熱し、エクストラバージンオリーブオイルと塩少々を加え、【2】を入れてさっと炒め、【3】を戻し入れてひと混ぜしたら火を止め、器に盛る。
6.パクチー…油と併せて吸収率UP
香菜(シャンツァイ)、コリアンダーともいい、ビタミンもミネラルも豊富。香りにはリラックス効果や集中力を高める効果がある。 また、体を温め、邪気を発散させる効果も。
★選び方ポイント
・全体に緑色が濃く、みずみずしい
・葉先が黄色くない
・茎から葉先までハリがある
・根がしっかりついている
★効果を高める食べ方
ビタミン類が豊富だが熱に弱いため、生のまま薬味のようにいろいろな料理に加えるといい。脂溶性ビタミンも多いため、油と一緒に食べると吸収率が高まる。
7.冬瓜…スープにして栄養を逃さない
硬い皮の内側の実は95%以上が水分でカリウムが多く、むくみ解消や高血圧予防に効果がある。ビタミンCが豊富で美肌効果も期待できる。また、体の熱を冷やし、利尿、解毒作用がある。皮と種に効能が高く、漢方の生薬としても使われている。
★選び方ポイント
・皮にハリがあり、白い粉が吹いている
・種がしっかり詰まっている
★効果を高める食べ方
カリウムは水溶性なので、煮汁ごと食べるスープがおすすめ。
★栄養UPレシピ
蒸し暑い季節に体の水分調整ができる冬瓜とじゃがいもを使ったビシソワーズは、梅雨時の不快感の解消にもぴったりの組み合わせ。
●冬瓜入りビシソワーズ
<作り方>
【1】じゃがいも3個、玉ねぎ小1個、長ねぎ20cm分を薄切りにする。
【2】鍋を熱し、エクストラバージンオリーブオイルを適量入れ、玉ねぎを弱火でじっくり水分が出るまで炒め、長ねぎ、じゃがいもの順に加える。
【3】水4カップを入れて沸騰してきたら、ひと口大に切った冬瓜(正味)350g、塩少々を加え、あくを取りながら、くたくたになるまで煮る。
【4】フードプロセッサーでとろとろにして塩で調味し、冷やす。【5】器に盛り、別ゆでしておいた冬瓜、粗びきこしょう、ディルをのせる。
8.らっきょう…うなぎに添えて疲労回復にも
水溶性食物繊維がごぼうの3~4倍も含まれ、腸内環境の改善に役立つ。なかでもフルクタンには、血糖値の急上昇を抑え、脂肪が体内に吸収されるのを防ぐ働きがある。 また、気の巡りをよくして、停滞症状を改善し、胃もたれや胸のつまりなどを解消する。
★選び方ポイント
・白色で粒がそろっている
・葉が枯れていない
・外皮に傷がなく、丸みを帯びている
※洗ってある場合は、光沢がある
★効果を高める食べ方
ビタミンB1が豊富なうなぎに添えて食べると、脂っこさをさっぱりさせて疲労回復効果がアップ。甘酢漬けのつけ汁にはらっきょうの水溶性食物繊維が溶け込んでいるので、味付けに利用するとよい。
9.なす…水にさらすと栄養流出も
紫の色素成分・ナスニンには強い抗酸化作用が、苦み成分のクロロゲン酸には活性酸素の働きを抑える作用がある。 また、体の余分な熱を取り、血の巡りをよくする。胃腸の調子を整え、むくみを取る効果も。
★選び方ポイント
・へたの切り口がみずみずしい
・へたが黒く、トゲが痛い
・皮の色が濃くツヤがあり、ハリがある
・ガクの下が白い
★効果を高める食べ方
なすの皮は抗酸化作用が高いので皮はむかず、水にさらすのも極力減らして栄養の流出を抑えること。ビタミンCと合わせると抗酸化力アップ。ぬか漬けはビタミンB1が倍増するのでおすすめ。
★栄養UPレシピ
「血の巡りをよくし、お腹を温める効果のあるらっきょうを、体を冷やす効果のあるなすと組み合わせて冷えを抑えます」。また、カレー粉にも温め作用があるので、体を冷やしすぎずに巡りを整えられる。
●なすとらっきょうのカレー風味
<作り方>
【1】なす4本は、へたを切り落とし、斜めに切り込みを入れ、上下半分に切って水にさらす。【2】油を180℃に熱し、水気をよくふき取った【1】を色よく揚げ、熱いうちに軽く塩をふる。【3】器に盛り、スライスしたらっきょうの甘酢漬け16個分を添え、甘酢漬けの汁大さじ2程度をかける。カレー粉を少量ふりかけ、セルフィーユを添える。
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