野菜の栄養をアップする裏技12|きゅうりは酢と、トマトは卵炒めが最高のコンビ
野菜は、季節によって栄養価が変わる。とくに夏が旬の野菜は栄養豊富でビタミンなどが冬より増えるという。そこで料理研究家で中医薬膳師・国際中医師の村岡奈弥さんに、旬野菜の選び方やさらに野菜の栄養価をアップする調理方法を聞いた。
1.そら豆…さやごと焼き薄皮も食べる
そら豆は、独特の香りがあり、「おいしいのは3日だけ」といわれるほど、鮮度第一。たんぱく質、ビタミン、ミネラルが豊富で、体のエネルギーを高める作用がある。また、胃腸の働きを整え、むくみを取る助けになる。食べすぎるとお腹にガスがたまりやすいので要注意。
★選び方ポイント
・しわがよってない
・触っても豆を感じないくらいふっくら
・さやが緑色でハリと弾力があり、筋が茶色くない
・外から見て豆がそろっている(むき実)
・緑色が濃くてツヤやか
・お歯黒部分(豆の黒っぽい部分)が黒すぎない
★効果を高める食べ方
栄養が逃げないようさやごと焼き、栄養価の高い薄皮も食べるといい。
2.アスパラガス…生のまま炒めてとろみを
アスパラガスは、春から初夏にかけて旬を迎えるため、5月がおいしい時期にあたる。特有の旨みの素になるアスパラギン酸は、特に穂先部分に多く、疲労回復効果が高い。抗酸化作用も◎。元気を補う作用で、熱を取り、口の渇きから咳を抑える作用もある。
★選び方ポイント
・切り口のきめが細かく、みずみずしい
・全体に緑鮮やかでツヤやか、触るとハリがある
・茎の太さが一定で、まっすぐ
・穂先の首にくびれがない
・穂先がしっかりしまり、ピンとしていて、しおれていない
★効果を高める食べ方
水溶性の栄養成分が多いので、電子レンジで加熱するといい。また、生のまま炒め、仕上げに水溶き片栗粉でとろみをつけると、栄養を逃さず摂れる。
「体が活発に動き出す春が過ぎ、そろそろ体に疲れが出てくる季節。気を補ってくれる旬野菜に、同じく旬を迎えたあさりを組み合わせて、元気を取り戻しましょう」
★栄養UPレシピ
●アスパラガスとそら豆のあさりソース
<作り方>
【1】鍋に砂出ししたあさり600gと白ワイン1/2カップを入れてふたをして中火にかけ、あさりの口が開いたら身を取り出す。
【2】【1】の汁をこし、中火で半分の量になるまで煮詰め、レモン汁大さじ1、白ワインビネガー(または酢)大さじ1 1/2、砂糖少々、生クリーム大さじ2の順に加え、塩で味を調える。
【3】塩ゆでしたアスパラガス12本、塩ゆでし皮をむいたそら豆12粒を器に盛り、【2】のソースをかけ、レモンの皮のせん切りを添える。
3.枝豆…蒸し焼きで甘みや旨み増
枝豆は、大豆が熟す前に収穫する緑色の未熟果で、ビタミンCとB群が大豆よりも豊富。更年期の症状は季節の変わり目に出やすいが、豊富なイソフラボンが症状を緩和してくれる。
また、血の循環を助けて、気・血(ケツ)を補い、湿をはらう。お酒の酔いを解く作用もある。腎の働きも補う。
★選び方ポイント
・産毛が濃い
・さやの緑が鮮やか
・実がふくらんで、粒がそろっている
★効果を高める食べ方
ゆでるよりもコップ1杯程度の水で蒸し焼きにすれば、甘みや旨みが増し、栄養を無駄にせずに食べられる。
★栄養UPレシピ
「気を補う働きの鶏肉と、消化を助けるパクチーの相乗効果で、疲労回復に働きます。寒涼性の野菜もたっぷり合わせて夏仕様に」
●シンガポール風チキンライス
<作り方>
【1】鶏胸肉500gに塩少々をふって15分置き、砂糖ひとつまみをまぶして2時間以上置く。
【2】鍋に水2 1/2カップ、長ねぎの青い部分、しょうがスライス5枚、にんにく1かけを入れて沸騰直前まで温め、水気をよく切った【1】を入れ、中心部に少しピンク色が残るくらいまで火を通し、そのまま冷ます。
【3】さっと洗ったタイ米1 1/2カップと、パクチーの茎8本分を炊飯器に入れ、【2】の煮汁270ccを加えて炊き上げる。
【4】しょうがのみじん切り大さじ6、ナンプラー・レモン汁各大さじ4、レモンの皮のすりおろし2個分、塩・ごま油少々を合わせてたれを作る。
【5】器に【3】と、【2】の鶏胸肉をスライスして盛り、きゅうり1本とオクラ4本を刻み、さやから取り出した枝豆と混ぜて添え、刻んだみょうが3本とパクチーの葉をのせる。【4】のたれをかけて食べる。