食事の介助お助けグッズ|食材を掴みやすい箸などオススメ3選
お箸を持つ力が弱い、食べ物が噛みにくい、飲み込みにくい…。そんな介護中の食シーンをサポートしてくれる“お助けアイテム”をご紹介。
介護食の料理教室やセミナーを主催している『カムリエ』店長の志水香代さんにセレクトしてもらいました。
【1】食材を掴む力をサポートしてくれる「介護用お箸」
握力が弱ってきたり、指先の細かい動作ができなくなってきたりしたら、スプーンやフォークに切り替えてしまう前に、まず、介護用のお箸を使ってみては?
『楽々箸』(青芳製作所)は、2本の端の間にバネで繋がっている。ピンセットのような形なので、お箸の先が合いやすく、物を掴みやすい。指先の細かい動きが難しい人でも、握るようにして持てばOKだ。
「お箸を使って食べる動作は、握力や指先の細かい動きが必要になり、認知症など症状の進行を防ぐともいわれています。病院や施設などの業務用としても対応している積層強化木を使用したお箸。健常者は利き手と反対の手で持ち、実際に握力が弱い人の感覚を体験してみることも大事なことですね」(志水さん)
【2】芯のある太い腰紐で「蝶結びの練習ができるエプロン」
エプロンの紐を結ぶ――。普段何気なく行なっている動作だが、「高齢になってくると、紐を交差したり、蝶結びといった、手先を使った動作が難しくなることも」と、志水さん。
『カムリエオリジナル エプロン』(カムリエ)は、アパレル製品を作っているハートブリッヂプロジェクトとカムリエのコラボ商品。紐の内部に芯が入っているため、紐にハリがあって、扱いやすく、紐が結びやすいのが特長。
同じシリーズから、スタイ(よだれかけ)も発売されている。
「子供用と大人用があります。大人が介護食を食べるときにも使いやすいと評判なんです。食事のシーンを少しでも楽しいものにするために、デザイン性にも機能性にも優れたエプロンやスタイが欲しいという声があり、店でも取り扱うようになりました」(志水さん)
【3】噛む力をサポートする「口腔トレーニンググッズ」
T字型の『オーラルリハ』(ラックヘルスケア)は、口の周りの筋肉をほぐし、リラックスさせることで、しっかり食べられる口をサポートするために考案された口腔トレーニンググッズ。
「もぐもぐと食べ物を噛んで、ごっくんと飲み込む。食べる行為には、唾液の分泌を促すために口の周りや表情筋が関係してきます。お口や顔周りをトレーニングすることで、固まった筋肉がほぐれ、食べやすくなるんですよ」(志水さん)。
細かく震動するT字型の先端で、口の周りの筋肉に刺激が伝わる。筋肉を引き上げるようにマッサージすることで、口の動きをサポートするだけでなく、滑舌や発音を明瞭にする目的も。さらに、舌や上唇と歯茎の間など、口の中のマッサージにも使用できる。
指先の細かい動きが不安、握力が落ちてしまう…。介護が必要な人でも、「もうできないから…」と諦めるではなく、便利なお助け介護アイテムを使って、動作をサポートすることで、できることが増えていくかも。「自分はまだできる」という自信にもつながり、食事の時間がもっと楽しくなるのでは。
【店舗データ】
上記で紹介した食器は、すべてカムリエで取扱い・販売を行なっています。
Kamulier(カムリエ)
住所:東京都文京区本郷3-2-15 新興ビル1F
電話:03-3812-6036
営業時間:11:00~19:00(月~土)
定休日:日・祝
ウェブサイト:http://www.kamulier-gc.jp
【介護食の作り方をわかりやすい動画などでご紹介!この連載のバックナンバーをみる】
●10分でパパッと介護食作り 市販品のアレンジで栄養満点「グラタン」
●鮭の旨味とクリーミーな食感がやみつきに!「サーモンのテリーヌ」
【関連記事】