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暮らし

【介護疲れ】しない!軽減する方法5つを専門家が解説

 2025年には認知症の患者が700万人を超えるといわれる。65才以上の高齢者のうち、5人にひとりが認知症になるという超高齢化社会、いつ自分の問題として降りかかってきてもおかしくないのが介護だ。

 準備のないまま介護生活に突入し、出口の見えない絶望感から殺人事件や心中に発展するケースもある。

 そこで介護疲れを軽減し、気持ちをラクにする方法をNPO法人『心の健康相談室』代表でカウンセラーの和田由里子さんに聞いた。 

【1】早い段階で介護システムを積極的に活用する

 地域における介護に関する相談窓口になるのが地域包括支援センターだ。

「“こんなことで施設やサービスに頼ってはいけないのでは”と孤軍奮闘しているかたがいますが、早い段階から地域の介護システムとつながる心がけが負担を減らすことにつながります。疲れて心身が悲鳴を上げる前の対処が重要です」(和田さん・以下「」内同)

 介護保険制度を利用することも積極的に考えたい。

 要介護度によって、デイサービス、ショートステイといったサービスや、特養(特別養護老人ホーム)、老健(介護老人保健施設)、グループホームなどの施設を活用できるので、年中無休の介護から解放される。

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【介護の基礎知識】公的制度<4>介護サービスの利用の流れ

【2】息抜きや趣味など自分をリフレッシュする時間を持つ

 自分を後回しにしてばかりでは疲弊する一方。趣味に没頭したり、友人とお茶をしたり、買い物に出かけるなど、リフレッシュする時間も必要だ。

「息抜きは必要不可欠です。イライラが消え、気持ちに余裕ができます。たまにひと休みしている自分に罪悪感を持つ人もいますが、介護は自分の楽しみも取り入れながらではないと無理が生じます。罪の意識を感じるようなら“これが長く続けられるいい介護なんだ”と言い聞かせる。意識を変えることも大切です」

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【3】家族や近所の人などの助けを借りる

 被介護者とつねに1対1で向き合っていると、互いにストレスが溜まり、いがみ合いになることも。

 介護はひとりで乗り切ろうとせず、家族や近所の人など、できるだけ多くの人の手を借りよう。

「日本では介護を担う人の7割以上が女性といわれています。家族は“介護は女性が担うもの”と考えていたり、“大変だな”と思っていても本当の苦労を理解していなかったり、ということはよくあります。今、自分がどんなに苦しいかということを具体的に伝えて、家族の協力を仰ぎましょう。また、同じような境遇の人に愚痴を言うなど辛い思いを我慢しないで。口にすると気持ちがスッと軽くなります」

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【4】正しい介護テクニックを身につける

 被介護者の移動、食事、おむつ換え、床ずれの予防など、毎日繰り返される作業にはテクニックがある。正しい方法を知らないこともストレスの原因に。

「コツを習得しているかいないかで、疲れが全然違います。体の起こし方ひとつでもやり方を覚ると、負担が軽減します。こちらも地域包括支援センターなどに連絡すれば、介護セミナーや講習会などの情報をもらえます」

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【5】介護を受ける人の気持ちにより添う

 認知症になった高齢者が荒唐無稽な話を始めたり、暴言を吐いたり…。そうした言動に悩まされる家族も多い。

「認知症になるとおかしな話をするようになりますが、否定するのではなく“それは大変だね”“心配だね”、場合によっては“よかったね”と気持ちに寄り添うことも必要。相手からの信頼が厚くなり、介護にも協力的になってくれることで、結果的にこちらの負担を減らすことにつながります」

 認知症になっても「認められたい」「愛されたい」という欲求は変わらない。そこで「あなたは大事な存在だ」と伝えるといい変化が起こるという。

「認知症患者は、本人も自分に違和感を持っているし、周りから疎まれているとも理解している。だから“ありがとう”“頑張ってるね”といった温かい言葉をかけたり、頭をなでるなどボディタッチで大切な存在だと伝えて。経験則で すが、認知症のかたの態度が変わってくる可能性は高いです」

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「介護疲れ」になりやすい人チェックリスト

 和田さんによれば、介護疲れになりやすい人には性格的にも特徴があるという。以下のチェックリストで4つ以上のチェックがあった人は要注意だ。

□職場では頼られるほうだ
□愚痴はあまり言わない
□レシピは分量をきっちり測る
□待ち合わせには遅れない
□人の言動に敏感だ
□ひとりが気楽
□旅行は3年以上行ってない
□電車の座席をよく譲る

「介護疲れに陥りやすいのは、いわゆる“いい人”です。まじめで情が厚く、困っている人をほっとけない。責任感が強く人に頼るのが苦手。職場では仕事のできる人と評価されることも多い。愚痴は言わないし、悩みを相談するのも面倒くさい。当然、相応のストレスは溜まっていますが、お酒や旅行などで発散しようとは思わない。そんな人は注意して」

教えてくれた人

和田由里子さん/NPO法人『心の健康相談室』代表でカウンセラー

構成/介護ポストセブン

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