要介護認定とは?申請方法は?|介護保険サービスを利用するまでの流れ【介護の基礎知識】公的制度<4>
介護保険サービスを利用するためには、要介護認定を受ける必要があります。要介護認定の申請の仕方、介護サービスを利用するまでの流れを解説します。
いざ、介護が始まったときに、介護まわりの制度やサービスがよくわからず、途方に暮れることがあるかもしれません。介護の基礎的な知識をデータベースにまとめました。困った時はここを読んで、上手な利用の仕方を心得ておきましょう。
要介護認定とは
要介護認定とは、介護保険サービスの利用希望者に対して「どのような介護が、どの程度必要か」を判定するためのものだ。
要介護認定の申請から利用まで
介護サービスの利用を希望するときは、要介護度(「要支援1、2」「要介護1~5」)の認定を受ける必要がある。要介護認定は本人または家族が市区町村の窓口(地域包括支援センターなど※市区町村で名称が違う)で申請を行う。
申請の際は、介護保険被保険者証(40~64歳までの第2号被保険者は医療保険証)を持っていくこと。
申請後は、市区町村の調査員が自宅や施設を訪問して認定調査を行う。また、主治医による意見書も必要(主治医がいない場合は市区町村指定の医師に診察を受ける)。
それらに基づいて審査が行われ、要介護(支援)度が認定される。
申請から認定結果の通知までにかかる期間は、原則として30日以内とされている。
要介護度の認定を受けたら、ケアマネジャー(介護支援専門員)のいる居宅介護支援事業者(要支援の場合は地域包括支援センター)に依頼し、ケアプラン(サービス計画書)を作成。プランに基づいたサービスを受けられるようになる。
要介護度/要支援度の状態区分
要介護度は、身体の状態や必要とされる介護の内容・時間などに応じて「要介護1~5」「要支援1~2」の7段階に分かれる。これらに該当せず、支援がなくても生活できる場合は「非該当(自立)」となる。
認定された要介護度の有効期間は、新規・変更申請の場合は原則6か月で、状態に応じて3~12か月で設定する。
更新の場合は原則12か月で、状態に応じて3~24か月(要支援更新は3~11か月)で設定。身体の状態に変化が生じれば、有効期間の途中でも介護認定の変更を申請できる。
●要介護度(要支援度)の状態区分
要介護・要支援は以下のような状態区分になっている。判定は、さまざまな条件を加味して行われるが、目安として理解しよう。
要介護・要支援度の状態区分
要支援1
└日常生活の基本動作はほぼ自分で行えるが、薬や金銭の管理、家事などで社会的支援が必要な状態。
要支援2
└歩行などの身体的動作に不安があり、要支援1よりわずかに機能が低下。何らかの支援が必要な状態。
要介護1
└食事や排せつは自分でできるが、心身の状態が不安定であったり認知機能の低下などにより部分的な介護が必要となる状態。
要介護2
└日常作業の動作についても部分的な介護が必要で、排泄などでも一部助けが必要。理解力の低下も見られる。
要介護3
└食事、排せつなどで一部手助けが必要で、その他の日常生活でも一人でできないことがあるためほぼ全面的な介護が必要な状態。問題行動も見られる。
要介護4
└重度な認知症があり、介護なしには日常生活を営むことが困難な状態。心身の状態が低下しており、食事や排せつでも手助けが必要。
要介護5
└寝たきりの状態で、介護なしには日常生活を営むことがほぼ不可能な状態。心身の状態が低下し、医師の伝達も困難。
ケアプラン(サービス計画書)とは
ケアプラン(サービス計画書)とは、利用者やその家族の状況や希望をふまえ、利用者に対する支援の方針や解決すべき課題、提供される介護サービスの目標と内容をまとめた計画書のこと。
ケアプランは、要介護者・要支援者が介護保険サービスを利用したいときに必ず必要となる書類だ。ケアプランの内容に基づき、介護保険サービスの提供・給付管理が行われる。
ケアプランの作成は介護報酬でまかなわれるため、利用者の自己負担はない。
ケアプランが作成され、介護サービスの利用が開始される。
【参考資料】
厚生労働省|介護・高齢者福祉https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html
構成/介護ポストセブン編集部