山崎まゆみさんオススメ!【バリアフリー温泉】最新ガイド<5>~神奈川県 箱根
仙石原温泉 一口メモ
仙石原温泉は箱根の大涌谷から温泉を引いています。入浴中は温熱効果に加え、血管拡張作用が期待できるので、温泉に浸かれば、足の爪先まで、湯上り後もずっとぽかぽかに。お身体の不自由な方は、冷えの悩みも抱えている場合が多いと聞きます。ぜひオススメしたい温泉です。
「小田急 箱根ハイランドホテル」
箱根温泉の中でも、仙石原温泉は高原のリゾート地。中でも、「箱根ハイランドホテル」は、まるで絵にかいたようなリゾートホテルです。今年5月に開業60周年を迎え、敷地は一万五千坪。ホテルのエントランスやロビー、ラウンジ、レストラン、庭園、それら全てがゆったりとした空間です。エレガンスさが際だち、ヨーロッパの避暑地に来たかのような雰囲気があります。
その歴史の長さとともに、多くのお客さんが訪れています。2013年には「森のレジデンス」が新設されましたが、その際、長くホテルを利用してきたお客さんから「高齢になり、足元が不自由になってきた」「本館は車椅子のまま利用できる広さがない」との声を受け、バリアフリーも考慮したのだそう。
“自然に抱かれた空間”がテーマで、どこにいても光と緑と風を感じられる「森のレジデンス」のみならず、ホテル全体が、バリアフリー化を目指していて、館内は比較的段差が少なく、ホテルの入口から客室、レストラン、大浴場まで車椅子の移動が可能です。浴場には、滑りにくいタイルが使用されていますし、車椅子のまま利用できる多目的トイレも設置されています。
大浴場への入口にある「アクアラウンジ」では、敷地内で湧く水がいただけます。私は、温泉から出て、水分補給をして、また温泉へと繰り返したら、身体がすっきりと軽くなりましたので、個人的にはデトックス効果も期待できるのではと思っています。
「森のレジデンス」には、車椅子での宿泊可能な露天風呂付き客室8室(トイレなどを含むバリアフリー完全対応は1室)があります。目の前にはプライベートガーデンがあり、客室にいながら自然の中に身を置けるかのような心地よさを味わえます。大浴場と同じ硫黄泉に入ることができるのも嬉しいポイント。朝食はルームサービスを頼むこともできます。
また、「森のレジデンス」には、ペットと一緒に泊まれる部屋「ドックフレンドリールーム」が7室があり、高齢者、体の不自由な方、ワンチャン連れ…とあらゆる人が安心して寛ぐことができるホテルです。
オススメポイント
ホテルに滞在しながら、まるで森の中に身を置いたかのような心豊かな時間を過ごせます。足腰が不自由な方も車椅子の方も、そして、あらゆる世代が楽しめます。
データ
「小田急 箱根ハイランドホテル」
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原品の木940
電話:0460-84-8541
料金:温泉露天風呂付きツイン31,000円(夕・朝食付き、1室2名様利用の1名料金)~
HP:http://www.hakone-highlandhotel.jp/
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●【バリアフリー温泉】最新ガイド<3>山形県 かみのやま温泉
山崎まゆみ
温泉エッセイスト、ノンフィクションライター。新潟県長岡市出身。日本全国のみならず、世界31か国以上の温泉を巡り、その魅力をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などで紹介している。著書に、『だから温泉はやめられない』『ラバウル温泉遊撃隊』(ともに新潮社)、『白菊-shiragiku-』(小学館)などがある。
公式HP http://ingsnet.com/mayumi/