1回5分、1日2回で転ばない体に!話題の「転倒防止体操」<パート1>
従業員の足腰を鍛え、転ばぬ体づくりのために作られた『アクティブ体操(R)』がテレビやYouTubeで話題だ。考案した鉄鋼大手の『JFEスチール』では、毎日2回の約5分、体操を続けたところ、従業員の腰痛や肩こり、姿勢が改善。作業場での転倒もなくなった。これで転ばない体になれるなら、やらなきゃ損!と全貌公開。今回のパート1では、「全身の筋肉を動かす」体操を9つ紹介します。
朝8時50分、大手鉄鋼メーカー、JFEスチールの西日本製鉄所倉敷地区(岡山県)では、軽快な音楽とともに「“アクティブ体操”の時間です」という社内アナウンスが流れ、全従業員で約5分の体操を行っている。これが、同社の従業員の足腰を鍛えてきた“転倒防止体操”だ。
主に船や自動車などに使用する鉄鋼製品を製造している同社の倉敷地区には、約1万5000人を超える従業員がいるが、高齢化も進んでいる。
「同じ作業を長時間していると、特定の筋肉や関節に負担がかかり、腰痛やひざ痛の原因に。また長年、同じ姿勢を続けていたせいか背筋も曲がり、ちょっとつまずいただけで転倒する人も多く、1~2か月間休養する人も増えていました。そこで従業員の足腰強化を目的に、2004年から職場で運動を始めました」
そう同社ヘルスサポートセンターの乍(ながら)智之さんは言う。具体的には2つの体操を行うのだが、腰痛や肩こりなどの予防が目的で、作業姿勢から体操を考案。全身の筋肉を動かせる動きを体操に取り入れた。まずは体を動かす大切さを知ってもらおうと、あえて回数は指定せず、好きな回数を行うように指導しているという。基礎体力をつける第1歩。さっそく始めよう。
体操をする前の注意点
1.最初は2~3回から
パート1は回数にこだわらず、自分ができる範囲で行おう。硬い筋肉を無理して動かしてもけがのもと。1つの動きを2~3回繰り返すことから始めて、慣れたら徐々に回数を増やして。パート2は各動き、指示通りの回数を行う。
2.理想は朝1回、午後1回
同社では、パート1を午前8時50分に、パート2を午後3時に行っている。それに合わせて、寝起きの体をほぐすため、朝起きて1時間くらいにパート1を、適度にたまってきた疲労を解消するため、午後にパート2を行うのが理想だ。
3.服装は自由。スカートでもOK
同社では、男性は作業着に安全靴で、事務職の女性はスカートにオフィス用サンダルで行っている。パート1は、どんな服装でも運動できるようにプログラミングされているが、パート2はスカートの場合、足は無理して大きく開かず、肩幅程度に開いて。
4.1つの動きだけを集中して行うのも◎
全体を通すとパート1、パート2いずれも約5分かかる。まずは通して行って、自分が心地よいと思った動きを気づいたときに行うことからでも始めても問題ない。家事の合間に首回しを3~5回、毎日行うだけでも効果は実感できる。
5.動かす体の部位を意識する
柔軟性やできる回数にこだわるよりも、正しいフォームで伸ばすべき筋肉がきちんと伸びているか、動くべき関節がしっかり動いているかを意識することが大切だ。イラストと解説で動作をしっかりと確認し、楽にできる範囲で行おう。