自律神経失調|原因と症状、解消するための朝の5つの習慣
その1 朝日を浴びる
朝、起きたらカーテンをあけて日の光をたっぷり浴びましょう。睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が抑制され、一日の活動を開始するモードに入ります。ここで停止されたメラトニンの分泌は14~15時間後に再び開始され、夜、自然に「眠い」と思える身体のリズムができます。
その2 コップ1杯の水を飲む
意外に思われるかもしれませんが、食べ物を消化するのは夜眠っている間です。消化活動を担うのは副交感神経ですから、ぐっすり眠ると朝には消化を終え、胃腸はきれいな状態になっています。そこへ常温の水を入れてあげると、車にエンジンをかけたアイドリングの状態になり、「これから活動をスタートするぞ」という身体の状態になるのです。前の晩にアルコールを飲みすぎたり、便秘になっている場合は、硬水のミネラルウォーターを飲むと、塩分調整ができて体調が整いやすくなります。
その3 朝風呂に3分間入る
心臓や血管の病気がなければ、朝風呂は交感神経を高める有効な手段です。41℃くらいのお湯に3分間つかるだけ。シャンプーや身体を洗うことは不要です。長く入り過ぎると副交感神経のスイッチが入ってしまうので気をつけて。
その4 朝食はフレッシュ野菜と発酵食品
朝、一口目に食べる食材は必ず野菜、できれば生のものにしましょう。サラダ、漬物、グリーンスムージーなどを最初に食べることで代謝が良くなり自律神経を整えやすくなります。
また、腸内環境を整える発酵食品もぜひ取り入れてください。夜の間に「善玉菌」を使って盛んに消化を行った腸内に、良い菌を補充する必要があるからです。納豆、味噌、チーズ、キムチ、ヨーグルトなどを食べることで腸が元気になります。朝、腸内環境を整えることで、日中は消化の働きが弱まり、夜中の胃腸の動きを活発にさせることができるのです。
その5 歯磨きタイムに自己暗示
歯磨き中、鏡で自分の顔を見ながら「今日も生きているありがとう」といった感謝の言葉を心の中で唱えましょう。一日の中では嫌なこと、辛いことがたくさん起こるかもしれませんが、朝のこの儀式で幸せホルモンである「セロトニン」を大量放出させておくのです。介護はイライラすることが多くなりがちです。でも、セロトニンがたっぷり出ていると、少しくらいのことでは腹が立たず、笑って過ごせるようになるのです。
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監修:新井幸吉(あらい・こうきち)
医学博士。奈良県立医科大学大学院修了後、牧野病院整形外科、清恵会病院整形外科を経て、医療法人永光会理事長に就任。60歳を機に、整形外科医から内科医へ転身。外科手術に頼らない生活習慣病や慢性疾患の改善に取り組み、病気を未然に防ぐ「健康寿命の延伸方法」にも力を注いでいる。病院、クリニック、介護施設、居宅介護施設など、医療と介護の二本立てによって、高齢者が安心して生活できる福祉の町づくりに貢献。著書に「生涯健康に暮らしたければ『自律神経』を整えなさい」があり、TVでもスーパードクターとして紹介されている。
取材・文/鹿住真弓
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