「脊柱管狭窄症」の痛みを緩和!高齢者も注目の治療って?
日本人の約1割が自覚症状としてあげているという「腰痛」。中でも、高齢者の腰痛の原因の多くを占めるのが「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」である。大日本製薬が40歳以上を対象に行なった調査では、国内の患者数は240万人。そのうち、約70%は70歳以上であるという。また、70歳以上に限ってみると、女性患者が男性患者の2倍となり、高齢女性の多くが苦しんでいることがわかる。
ペインクリニック学会の元会長であり、藤田保健衛生大学名誉教授でもある河西稔先生に、脊柱管狭窄症の痛みとどう向き合っていけばよいのか、最新治療を含めてうかがった。
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脊柱管狭窄症の症状は坐骨神経痛と間欠性跛行が特徴
脊柱管狭窄症の原因の多くは、加齢による骨の変形や、骨周囲の組織の変形や炎症にあります。特徴的な症状には、「坐骨神経痛」と「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が挙げられます。
まず、坐骨神経痛ですが、脊髄の通り道である脊柱管が狭くなることによって神経が圧迫され、下半身のしびれや痛みが生まれるのです。もうひとつの特徴的な症状「間欠性跛行」は、一定の時間歩くと足に痛みやしびれが表れるものの、少し休むと再び歩くことができるようになるというもので、進行すると短距離を歩いただけでも痛みが生じ、外出が厳しくなるなど日常生活に支障をきたす事態にもなりかねません。
国内では一般的な治療法を行っても痛みが取れない、痛みが再発する患者さんがほとんで、完治は困難だと言われています。