《ルート分散で高齢者に配慮も》春の園遊会が開催 招待客をもてなした料理の数々…名物ジンギスカンは御料牧場産の肉でタレは宮内庁秘伝
2025年4月22日、天皇皇后両陛下が主催する春の園遊会が赤坂御苑で開催された。園遊会には、漫画家のちばてつやさん(86歳)、プロゴルファーの青木功さん(82歳)、女子ソフトボール元日本代表監督の宇津木妙子さん(72歳)ら、各界から約1400人が招待された。
令和初、6年半ぶりのアルコール提供
近年、新型コロナウイルス感染症の影響で園遊会が中止されたり、感染対策としてソフトドリンクのみが用意されたりしたが、今回の園遊会では令和になって初めて、ビールや日本酒など、アルコールの提供が再開された。
御料牧場産のジンギスカン、焼き鳥なども
料理は、オードブル、サンドイッチ、海苔巻き、タイやアジ、マスのちまき、プチケーキやクッキーなどの洋菓子などが振舞われたほか、栃木県にある御料牧場で育てられた肉を使ったジンギスカンや焼き鳥なども提供された。
2024年10月に開催された秋の園遊会でも提供されたジンギスカンは、園遊会の名物メニューとしても知られている。御料牧場で育てられている羊はサフォーク種で、宮内庁の伝統のレシピで作られたタレは2~3年ほど、長期間熟成させているという。
参加者に配慮した62年ぶりの変更
今回の園遊会は、62年ぶりにルートが変更された。これまでは天皇皇后両陛下が先頭で、秋篠宮ご夫妻、愛子さま、佳子さまら、皇族方が1列にならび、同じルートを進んでいた。今回から3つのルートにわかれたことで、皇族方の声かけを待つ時間が短縮。より多くの招待客と交流することができ、ゆっくりと食事を楽しむこともできるようになった。
過去には皇族方の声かけを待つ間に、気温の暑さで体調を崩す招待客がいた。招待客の中には各界の功労者など高齢者も多く、今回のルート変更は立ちっぱなしや過密を避けるなど、参加者の体調も考慮している。
新たな形となった令和の園遊会は、招待客の体調を気遣い、懇談や料理などをより楽しんでもらいたいという、皇族方のお気持ちが感じられる会となった。
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