「脊柱管狭窄症」の痛みを緩和!高齢者も注目の治療って?
脊柱管狭窄症の症状の特徴として「腰を反らせると痛みが強くなり、前屈すると楽になる」というのはよく言われることですが、必ずしもそうではありません。神経の圧迫されている場所によっては、痛みよりしびれが中心の方、排尿や排便障害のある方、男性では異常な勃起に悩む方もいらっしゃいます。
そこで、腰痛に悩む方は以下の質問のあてはまる項目にチェックをしてみてください。
□ 痛みが出はじめたのは40歳を過ぎてからである
□ 「姿勢が悪い」と、子どもの頃によく注意された
□ 長時間立ち続けていると、下半身に痛みやしびれが起きる
□ 数百メートル歩くと足や腰に痛みが出るが、少し休むと治まる
□ 背中を後ろに反らすと、腰に痛みや刺激がある
□ トイレで排尿しても、残尿感がある
□ 肛門や会陰が熱くほてったように感じることがある
□ 段差のないところでつまずくことがよくある
□ 腰痛を感じた時に、背中を丸めると症状が和らぐ
□ 足の裏に違和感があり、異物が張り付いて知るような感覚がある
□ 糖尿病ではない
□ 腰痛と便秘が同じ時期にはじまった
※「腰部脊柱管狭窄症(LSCS)の診断サポートツール」を参照し独自に作成
6個以上チェックのついた方は脊柱管狭窄症の疑いがあります。痛みを放置しておけば、動くことそのものが億劫になり、筋力を衰えさせてしまうことになります。少しでも痛みが軽減できるように手を打たなければ、寝たきりの状態になってしまう可能性も否めません。
神経ブロック療法では痛みの緩和は長続きしない
坐骨神経痛や間欠性跛行が頻繁に起こる場合、たいていは整形外科またはペインクリニックを受診することになるでしょう。検査の結果、脊柱管狭窄症であることが判明した場合、投薬治療や理学療法が実施され、改善されなければ神経ブロック療法へと進みます。しかしこれらの治療では、痛みの緩和が長続きしないと訴える患者さんが大変多く存在するのです。
外科手術をしても痛みが取れない患者が半数以上!
神経ブロック療法でも効果が認められず、日常生活に不都合の出るほど症状が悪化していれば、外科手術が検討されることになります。骨や組織などを削る、または腰椎と呼ばれる腰の骨を固定する方法の2種類があり、いずれも神経の圧迫を取り除くことが目的です。
しかし手術は成功しても痛みが取れない、あるいは再発してしまう患者さんは半数以上。このことはアメリカのリウマチ専門医の調査によって、発表されている事実です。
痛み刺激が「脳」に伝わらなければ痛くない!
ところで、そもそも痛みとは何なのでしょうか。痛みと一言で言っても、いろいろな種類があります。痛みの範囲もピンポイントのこともあれば、全身の皮膚がピリピリするような広範囲の痛みもあります。
こうした痛みを感じているのは、患部ではなく「脳」です。患部が受けた外傷などの情報を、種類の違う神経線維が脳に伝えることによってさまざまな刺激情報に変換されるため、「鋭い痛み」「ジンジンする痛み」「しびれる」といった複数種類の痛みを感じることになるのです。
このことを逆手にとって、脳に患部が受けた刺激信号が伝わらないようにするのが神経ブロック療法なのですが、あくまでも麻酔薬を使用しているために、その効果は長続きしません。
そこで、最新治療として注目されているのが、脳に神経を伝達する脊髄に対して、心地良い刺激を与えて痛みをブロックする「脊髄電気刺激療法」という痛み治療です。