《「陰気に生きる」のはなぜやってはいけないのか》世界的なベストセラー作家が「1年間、笑わない」をやり通して気づいたこと&口角を再び動かして起こったこと
【真のアドバイス】
自分を陽気にさせる「ドーパミンリスト」を作ろう
18歳のとき、わたしは「1年間、笑わない」と心に決めた。笑うと顔の筋肉を動かす必要があるので、莫大なエネルギーを消費すると確信していたのだ。
エネルギーをそんなことに使わずに、思考のために残しておくほうがいい、世界的な問題を解決する力を使うために、と自分に言い聞かせていた。
そういうわけで、それからは微笑まなくなり、愉快な人たちを避けるという、ばかげたことを1年間やり通した。
結果は、世界的な問題はひとつも解決しなかった。それに気分も外見も、みじめだった。
ちょうど1年後、わたしはひどくばかげた実験を終え、口角を再び動かした。それも上の方向に。
すると驚いたことに、女の子たちがわたしとおしゃべりをしてくれるようになり、人生は明るく、おもしろくなっていった。それによってわたしは明るい一面を手に入れた。
もっとも、今でも、わたしはおどけたことをしゃべる人間ではないが、笑顔をつくることは明らかによい効果を与えてくれている。
「遊び心」はたくさんのメリットをもたらす
「遊び心」をもって人生に向き合うと──ときにはひどくネガティブなこともあるかもしれないが──メリットしかない。
ドイツのマルティン・ルター大学(通称ハレ大学)の心理学者ルネ・プロイヤーによれば、「遊び心は、創造力を促す」という。
それに、カナダの研究によれば、「好感がもたれ、ストレスが明らかに軽減される」ということだ。ユーモアのある人がより幸せなのは明らかなのだ。
だから、もっと陽気になれる小さなヒントを紹介しよう。
それは、自分のための「ドーパミンリスト」を作ること。単調な日々に活気を与える、すき間時間を利用する行動リストだ。
わたしのリストはとてもシンプルだ。「ジャズを聴く」「電動自転車で街中を走り回る」「フライトシミュレーターで遊ぶ」「子どもたちとふざけ合う」「YouTubeで、お気に入りの番組(たとえばスタンダップコメディー)を観る」といったようなことだ。
また、自分に起こった不運を笑うのもいい。そのような機会はたくさんあるだろう。
まじめで、自分をきっちり管理している人にとっては、遊び心の糸を自分の「心の布」に通すのはたやすくない。それでも挑戦しよう。お金はかからないのだから。
人生は厳しい。だが、基本的には「ゲーム」でもある。偉大な思想家やスポーツ選手、芸術家たちには「傑出した陽気さ」がある。
それに、100年後には、どのみち誰もあなたのことなど話題にしないのだから、今、いくらか羽目を外したところで問題はないはずだ。
著者情報
ロルフ・ドベリ(Rolf Dobelli)さん
作家、実業家。1966年、スイス生まれ。ザンクトガレン大学卒業。スイス航空の子会社数社にて最高財務責任者、最高経営責任者を歴任の後、ビジネス書籍の要約を提供するオンライン・ライブラリー「getAbstract」を設立。香港、オーストラリア、イギリスおよび、長期にわたりアメリカに滞在。科学、芸術、経済における指導的立場にある人々のためのコミュニティ「WORLD.MINDS」を創設、理事を務める。35歳から執筆活動を始め、ドイツやスイスなどの世界の有力新聞、雑誌に寄稿。著書は40以上の言語に翻訳出版され、累計発行部数は400万部を超える。著書に『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』『Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』『Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法』『News Diet 情報があふれる世界でよりよく生きる方法』(すべてサンマーク出版)など。スイス、ベルン在住。
中村智子さん
ドイツ語翻訳者。神奈川県生まれ。主な訳書に、ロルフ・ドベリ著『Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法』、ピエール・フランク著『宇宙に上手にお願いする法』(ともにサンマーク出版)、ファービエンヌ・マイヤー、ジビュレ・ヴルフ著『どうやって美術品を守る? 保存修復の世界をのぞいてみよう』(創元社)などがある。
