《お墓の最新事情》樹木葬や散骨、墓じまい…散骨で後悔するケースも 親が元気なうちに確認しておきたい「お墓の希望」
かつては、亡くなったらお墓に入るのが当たり前だったが、昨今ではお墓を残さないという選択をする人もいる。お墓を維持するためにかかる費用や、家族や親族に強いることになる墓守の負担などを気にする人が増えているためだ。すでに家系のお墓がある場合でも、墓じまいの選択をするケースもある。そこで、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、後悔しない最後を迎えるために、お墓について話し合っておくべきことを詳しく教えてもらった。
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教えてくれた人
丸山晴美さん/節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー
22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。
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お墓を考える際は「わが家のお墓」を確認
お墓について考える際は、まず「わが家のお墓」の現状を確認することが大切です。先祖代々から続くお墓があるのか、ある場合は誰が墓守をしているのかなどを確認しましょう。「わが家のお墓」があり、親本人に特段の希望がなく、自分や家族・親族が墓守をできそうであれば、「わが家のお墓」に入ってもらうのでもいいでしょう。
事前に親の希望を聞いておく
埋葬・供養について、親御さんの希望を聞いたことがないのであれば、あらかじめ本人の意志を尊重しつつ、家族で話し合っておくといいでしょう。
聞いておくべきこととしては、「埋葬方法」、「法要や家墓などの管理をどの家族や親族に任せたいか」、それとも「海洋散骨や樹木葬、手元供養など別の方法にしたいか」など。希望を聞いたうえで、希望を叶えられそうかどうか、今のお墓の状況や家族の事情、費用面などを踏まえて相談するのがおすすめです。
お墓の選択肢によって費用も異なる
お墓の選択肢にはさまざまあり、代表的なものだけでも例えば次のようなものが挙げられます。
【1】一般墓・墓守に委託
【2】境内建墓の永代供養墓(個別)(寺院の境内に新たにお墓を建て、寺院が遺骨を管理・供養する)
【3】永代供養付納骨堂(個別・合祀)(遺骨を専用の棚やロッカーに安置し、寺院が管理・供養する)
【4】永代供養付樹木墓(合祀)(墓石の代わりに樹木をシンボルとする)
【5】限定供養の簡易的境内墓地・壁墓地など(個別→合祀)(供養が特定の条件や期間に限定され、小さい区画の境内墓地や壁の中に遺骨を納める。期間経過後は施設内の合葬墓に移される)
【6】限定供養付納骨堂(個別→合祀)(定められた期間は個別に遺骨を安置・供養しその後は合祀墓(永代供養墓)へ移して寺院が管理する)
【7】限定供養の樹木墓や庭園型の散骨墓所(個別→合祀)(樹木をシンボルとするお墓に遺骨を納めたり、遺骨を粉骨して専用の庭園にまいて自然に還したりする)
【8】民間霊園や共同墓地の芝生墓・デザイン墓(個別)(芝生で覆われた墓地のお墓やおしゃれなデザインのお墓に遺骨を納める)
【9】公営墓地・民間霊園の納骨堂(個別・合葬)
【10】公営墓地・民間霊園の樹木墓などに散骨(個別・合葬)
費用もお墓によって異なり、新しくお墓を建てるなら100~300万円、永代供養墓は30~200万円、先祖代々のお墓を引っ越す(改葬)場合は50~150万円、永代供養納骨堂は50~200万円、樹木葬は10~100万円、散骨は5~30万円、ミニ骨壺や遺骨ペンダントなどのアクセサリーにする手元供養は3~10万円が目安です。
手続きもそれぞれ異なるため、どんなお墓にしたいかの希望が固まったら、きちんと調べ、業者へ見積もりを取るようにしましょう。
樹木葬や散骨などが増えている
墓石を建てるようなお墓を選ぶ人は年々少なくなっており、墓石の代わりに樹木をシンボルとする樹木葬や、そもそも遺骨を残さない「散骨」を選ぶ人が増えています。ただし、散骨の場合は、遺骨をすべてまいてしまったことで、少しでも残しておけばよかったと家族が後悔することもあるため、親本人が散骨を希望していても、一部は手元供養用に残すなど家族でよく話し合うようにしましょう。
また、最近では、遺骨をダイヤモンドなどのジュエリーにするケースもありますが、ダイヤになった場合はDNA鑑定ができないため、本当に本人の遺骨のみで作られたジュエリーかわからなかったり、高額だったりするため、後悔しないように業者選びに慎重になる必要があるでしょう。
墓じまいを検討する機会にも
お墓を考えるうえで大切なのは、まず親御さん本人の希望を聞くこと。そしてそのうえで、残される家族がどうしたいのかを話し合うことです。
また、すでに「わが家のお墓」がある場合は、墓じまいについて家族で話すのもおすすめです。
例えば、子どもたちはそれぞれ遠方で生活をしており、定期的な墓参りが難しく、また墓守をお願いできる身内もいない。となれば、せっかく家墓に入ったとしても、残された家族や親族にとって時間的にも金銭的にもかなり負担がかかることもあるでしょう。
墓じまいを本人の一存だけで決めるのは難しいものです。最近ではお墓の管理・維持・供養を代行するサービスもありますが、そもそも墓守が不要になるようにお墓自体を見直したりするなど、家族全員が納得できるように、きちんと家族で話し合っておくのも一案です。
取材・文/新藤まつり
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